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ネパール中国の国境地帯で発生した大規模な土石流。
氷河の崩落が原因とみられていますが、実はいま、そのリスクが世界中にあるといいます。

■去年5月、スイスの村でも...氷河の崩落で大規模土石流

ネパールと同じく、氷河の崩落に襲われた場所がある…。

その情報を得て向かったのはスイス
ロープウエーに乗り、標高4000メートル級の山々が連なるアルプスの麓を目指す。

さらに、バスに乗り換え山道を進むと…。

NNNバレー州 佐藤篤志記者
「土砂が崩れて流れ込んできています」


「建物も土砂で埋まってしまったようです」

ここで去年5月、氷河の崩落で大規模な土石流が。

崩落の瞬間を捉えた映像。

氷河がとけ、崩落が発生。温暖化の影響とみられている。

1年たった今も復旧作業が続いている。

NNNバレー州 佐藤記者
「あそこに1つ 建物のようなものが見えますね。おそらくあのあたりにも住宅があったのだとみられます」

一瞬にして激変した村の姿に住民は。

村に住む人
「ショックを受けました。今でも何が起きたか理解できていません。とても悲惨な出来事です」

■世界各地で氷河による災害...中国イタリアでも

いま、こうした氷河による災害は世界各地で起きている。

おととしには、中国で氷河がとけた影響とみられる洪水が発生。

4年前にも、イタリアで氷河の崩落による雪崩が発生。複数の死者が出た。

世界が直面している氷河崩落のリスク。

スイスの人気観光地を氷河が襲う いま現地は...

スイス・ブラッテン村。
およそ300人が暮らし、人気の観光地だった。去年5月、この村を氷河が襲った。

今はかつての景観は、ない。

長く住んだ村での生活を諦めたという人も。

村に住んでいたアントニオさん
「家も何もかも埋まってしまいました。戻りたくありません。
「あれを見てください。(氷河を指しながら) 戻るのが怖いです」

ネパール土石流 80キロ以上離れた町でも...「すべてなくなった」

一瞬にして町をのみ込んだ氷河の崩落。

ネパール中国の国境地帯で発生した氷河の崩落は、離れた場所にも大きな被害を与えた。

氷河の崩落現場から80キロ以上離れた町「ガルチ」。

NNNガルチ 富永大介記者
「川沿いの住宅街ですが、土砂が至るところに広がっています」

住宅の中は...

富永記者
「全部土砂で部屋が埋まってます」

80キロ以上離れた町でも、多くの住宅に土砂が流れ込んだ。

自宅が被害を受けた住人
「もう何もありません。 全てなくなってしまいました」
「本当につらいです」

これまでの犠牲者は1300人以上。
日本人5人を含む5400人以上が行方不明となっている。

発生から9日たった今月4日、水力発電所のトンネル内にいた2人を救出。

さらに5日、新たに1人が救出された。

これは崩落前の氷河を捉えた画像。丸で囲んだ部分が崩落した場所だ。

崩落後の画像を見ると氷河がなくなっている。

国際的な研究チームによると、氷河とその下にある岩盤も一緒にはがれたことで、大規模な土石流につながったという。

土石流の速度は一時、“時速167キロ”に達していたとみられている。

■なぜ氷河の崩落は相次ぐ? 国立極地研究所の分析は...

なぜ氷河の崩落は相次いでいるのか。

私たちが向かったのは都内にある国立極地研究所。

防寒服を着て、案内されたのはマイナス20度の部屋

国立極地研究所 榎本浩之 特任教授
「こちらに置いてあるのが、南極大陸の縁にある氷河からとれた氷です」

ここでは南極など各地で取れた氷河の氷を保管。地球環境の変化を調査している。

榎本浩之特任教授は、気候変動を評価する国際機関「IPCC」の、2019年の報告書執筆にも携わった。

国立極地研究所 榎本浩之 特任教授
「温暖化がどんどん加速してる中で、(氷河などが)とけはじめ、崩れはじめて、それが加速してる」
IPCCの予測からも出てきています」

氷河の崩落が相次ぐ背景には地球温暖化が影響しているという。

氷河の崩落は予測できるのか。

国立極地研究所 榎本浩之 特任教授
スイスの氷河の研究チームは、スイス中の氷河を見て回って、危険な氷河はないか普段からチェックしています」
「現在の気候で、過去に比べてたくさん氷河がとけるようになってきました」
「見えないところで危険が迫ってきている」
気温の上昇が、ただ暑いだけではない。色んな形で(危険が)迫ってきていると危惧されています」

(9月5日放送『news LOG』より)