英国王立造幣局(ロイヤルミント)は、SFシリーズ「スター・トレック」の放送60周年を記念した、収集家向けの50ペンス硬貨を発行すると発表しました。ロイヤルミントがスター・トレックを題材にしたコインを手がけるのは今回が初めてで、同シリーズの権利を管理するパラマウントとの共同企画です。


【▲ 「スター・トレック」放送60周年を記念した50ペンス硬貨のカラー版。左にはバルカン・サリュート、右にはシリーズの各時代を代表する4隻の宇宙船が描かれている(Credit: The Royal Mint)】

デザインは2種類で、1つ目は、レナード・ニモイが演じたスポックによって広く知られるようになった「バルカン・サリュート」と、挨拶の言葉「Live Long & Prosper(長寿と繁栄を)」を組み合わせたものです。人差し指と中指、薬指と小指をそれぞれそろえ、中指と薬指の間を開いて手のひらを相手に見せる挨拶として知られています。


2つ目のデザインには、「U.S.S. Voyager NCC-74656」「U.S.S. Enterprise NCC-1701」「Enterprise NCC-1701-D」「Klingon Bird of Prey」という、シリーズの各時代を代表する4隻の宇宙船が描かれます。


バルカン・サリュートのコインは2026年9月3日に発売され、宇宙船を描いたコインは同年11月に発売される予定です。表面には、いずれもマーティン・ジェニングス氏が制作したチャールズ3世の肖像が配置されています。


【▲ スター・トレック60周年記念50ペンス硬貨の裏面2種類と、チャールズ3世の肖像が描かれた表面(Credit: The Royal Mint)】

カラー版とモノクロ版

2種類のデザインには、彩色を施していない通常版(モノクロ版)と、宇宙を思わせる青や紫をあしらったカラー版が用意されています。


ロイヤルミントによると、カラー版は、スター・トレックの放送が始まった1960年代にカラーテレビが普及し始めたことから着想を得ています。1966年の放送開始当時、登場人物が身に着ける鮮やかな制服は、新しいカラーテレビで映えるよう意図してデザインされていました。その色彩表現を受け継ぐように、コインの背景にも青や紫の星雲が描かれています。


ロイヤルミントでファンダム部門責任者を務めるティム・マルホール氏は、これらのコインについて「このフランチャイズと共に育ち、その歴史の一部を大切にしたいと考えるファンのために設計されたものです」とコメントしています。


【▲ バルカン・サリュートを描いた50ペンス硬貨。左は青や紫をあしらったカラー版、右は彩色を施していないモノクロ版(Credit: The Royal Mint)】

60年で950話以上、映画14本

スター・トレックは、アメリカのプロデューサーであるジーン・ロッデンベリーが生み出した作品です。1966年に放送が始まった最初のシリーズ、日本では「宇宙大作戦」として知られる作品以降、12のシリーズで950話以上のエピソードが制作されました。14本の映画による世界興行収入は、合計20億ドルを超えています。


異文化との接触や倫理的な葛藤、多様性といった社会的テーマを正面から扱ってきた点も、長年にわたって支持されてきた理由として知られています。宇宙開発の分野では、スペースシャトルの試験機に「エンタープライズ」の名が与えられた例があり、現実の宇宙活動にも影響を及ぼしました。


なお、ウェールズのランドリサントに拠点を置くロイヤルミントは、近年、ポップカルチャーを題材にしたコインを積極的に手がけています。これまでには「スター・ウォーズ」を描いた50ペンス硬貨シリーズも展開しました。


日本でも購入可能

日本国内では、株式会社コインパレス(神戸市中央区)が、バルカン・サリュートを描いたプルーフ金貨・銀貨を2026年9月3日に発売しました。同社はロイヤルミントの公式代理店として、オンラインショップと神戸のショールームで商品を取り扱っています。


 


文・編集/sorae編集部


参考文献・出典The Royal Mint - Star TrekThe Royal Mint - Star Trek: Live Long and ProsperBBC News - New Star Trek 50p coins celebrate 60th anniversary株式会社コインパレス - 宇宙SFの金字塔!スター・トレック60周年記念コイン発売