奥田交番襲撃事件 警察官の過失認めるも警備員の妻の控訴棄却
8年前に起きた富山市の奥田交番襲撃事件で、殺害された警備員の妻が警察の初動対応に問題があったと訴えている裁判の控訴審の判決です。名古屋高等裁判所金沢支部は、警備員の妻の控訴を退けた一方、現場に到着した警察官が拳銃が奪われたことに気付かなかったことについて過失があったと認定しました。
訴えていたのは、事件で殺害された警備員、中村信一さん(当時68)の妻です。夫が殺害されたのは、県警の初動対応に問題があったためだとして、損害賠償を求めてきました。
この裁判は、中村さんの妻が、夫が殺されたのは事件の通報を受けた警察が、すぐに周囲に避難を呼びかけていなかったためだなどと訴えたものです。
去年の一審判決で富山地方裁判所は「殺害される直前まで犯人が拳銃を発射する危険があったとは認識できず、また避難を呼びかけていたとしても被害者が警告を聞き取れたかは明らかでない」として、訴えを退けました。中村さんの妻は控訴しました。
控訴審では、現場に先着した警察官が、交番所長の拳銃のつり紐が切れていることを確認、把握していたかどうかが争われました。
県警側は「紐は黒色で、体に接していたため、切れているかどうか分からなかった」と主張。これに対し原告側は「拳銃が奪われたかを詳しく確認しなかったのは重大な過失だ」と反論していました。
きょうの判決で、大野和明裁判長は「現場に最初に到着した警察官が拳銃が奪われたことに気付かなかったことについて過失があったと言わざるを得ない」と認定しました。
一方「周辺に危険が切迫していたとは言えず、県警の対応は事後的にみれば十分なものであったとは到底言えないが、原因は常軌を逸した犯人の行動と、警察官と誤認された被害者の不運にあるというほかない」などとして、原告の控訴を棄却しました。
裁判のあと、中村さんの妻が会見を開きました。
中村さんの妻
「運が悪かったというのは、警察が情報を提供してくれなかったことが、運が悪かったことだと私は思います」
中村さんの妻は、上告するかどうか、弁護団と協議のうえで決めたいとしています。

