「普通の学校に入学させたのは親のエゴ」星野真里への“もっともらしい意見”に感じた恐怖。『24時間テレビ』が浮き彫りにしたもの
しかしながら、それは「過剰に美談を煽るだけなのではないか」としてこの数年批判を浴びてきた姿勢でもあります。そして制作態度への不満が、知らず知らずのうちに障害者と障害者政策への不満に重ね合わされてしまう。こうして不信感が積み上がってきたところに、星野の教育行政に対する明確な主張が引き金になり、世論がひた隠しにしてきたどす黒い感情に、はっきりとした言葉が与えられてしまったのです。
◆『24時間テレビ』は、一段階深いフェーズへと足を突っ込んだ
例年はネタ的に冷笑される『24時間テレビ』ですが、今年は一段階深いフェーズへと足を突っ込んだように思われます。
これまでなら、同情という美談で消費されていた事柄を、冷やかな合理性の壁が跳ね返す構図に、少なくない人々が快哉を叫んでいるからです。
もちろん、これをもって日本の社会全体が変わってしまったとまで言うことはできません。しかしながら、何か仄暗いものが静かにうごめいているのではないか。
そんな嫌な予感を漂わせる、チャリティーマラソンなのでした。
文/石黒隆之
【石黒隆之】
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。X: @TakayukiIshigu4
