石川・羽咋市の豪雨被害は「土砂・洪水氾濫」 復旧作業も上流からの土砂で難航

8月27日、石川県内を襲った記録的な豪雨。羽咋市では、「土砂・洪水氾濫」と呼ばれる土砂災害が発生し、現在、復旧工事が急ピッチで進められています。
「まさかこうなるとは」と住民が口をそろえて話した被害の現場を取材しました。
8月27日の記録的な豪雨で、羽咋市酒井町では酒井川が氾濫。
この時、発生したのが「土砂・洪水氾濫」です。
「土砂・洪水氾濫」とは、大雨によって生じる土砂や流木が河川をふさぎ、周囲に水があふれる現象です。
牛田和希キャスター「豪雨から5日が経った羽咋市の酒井川です。今も重機による復旧作業が進められていますが、地元の人によると、小さな橋のところで山のほうから流れ着いた木々が詰まってしまったということです。近くで見てみると、相当な大きさの木や石が流れ着いたのが分かります」
山から流れる土砂がたまり続けるさらに150メートル下流では本来、堤防の高さが2メートルほどありますが…
きょう9月1日も山から流れてくる土砂がたまり続け、川から水があふれそうな状態になっていました。
県は、川の土砂を取り除く復旧工事を行っていますが、上流から土砂が流れ続け撤去が追いつかない状況です。
工事関係者「昨日で1メートルくらい掘った、ここで。それでも朝来たらこんな状態」
牛田キャスター「更に下流の方に来ましたが、大量の流木が山のように積み上げられています」
流れてくる土砂で溝や小川も埋まる住民「墓まで通り越えていけるかもしれん。行ってみる?」
牛田キャスター「危ないですよ」川のそばの墓地を訪れると・・
住民「ここずっと溝になっていたんですよ。それも全部埋まってしまったんで。そこにも小川があって。両脇とも埋もれてしまっとる」
お盆に墓参りに訪れた時とは景色が一変したということです。
全国で頻発する「土砂・洪水氾濫」国土交通省によりますと、近年、気候変動の影響で短時間に降る雨の量が増えて、土石流が発生しやすくなり、「土砂・洪水氾濫」が全国的に頻発しているということです。
しかし現在、全国的に「土砂・洪水氾濫」のハザードマップは整備されていません。
酒井町に住む住民も「土砂・洪水氾濫」という言葉に馴染みがないようでした。
牛田キャスター「土砂・洪水氾濫」はまだ私たちにとってはなじみがないですよね住民「聞いたことない。(土砂災害の)警戒地域だけは知っていたけどまさかこんなになると思ってない最初は来たねと思ったらみるみるうちに詰まって、あふれ出して」
防災工学に詳しい金沢工業大学の川村國夫特任教授は、「土砂・洪水氾濫」のハザードマップが整備されていない理由について、「土砂災害と洪水で自治体の担当部署が違うため」と指摘します。
金沢工業大学・川村國夫特任教授「上流は(自治体の)砂防の分野の方々が決めているという状況、下流は河川課のひとが決めている状況の中で、(土砂・洪水氾濫で)もっともっと多く氾濫するでしょうというのはまだここには記載されていない。今現在つくられているハザードマップよりももっと箇所が多い、範囲が広くなるという状況。『浸水氾濫区域だけにいないから私たちは大丈夫』ということは決してない」
2024年の奥能登豪雨を受けて、国は2025年、「土砂・洪水氾濫」に対応したハザードマップを全国で整備する方針を固めました。
各都道府県は、2026年度中に発生リスクが高い河川の流域を取りまとめる方針です。
