豪雨被災の氷見市 片付けに追われる住民 店や工場は営業再開の見通しも難しく 富山県氷見市
今月27日に県西部を中心に降った記録的な大雨で甚大な被害を受けた氷見市では、きょうも片付け作業に追われる住民の姿がみられました。一方、浸水の影響で営業ができない店や工場も多く、先が見通せない状況が続いています。
氷見市万尾の「宮下鮮魚店」です。今月27日の豪雨で店が浸水しました。
宮下鮮魚店 宮下誠さん
「このくらいまで(水が)あったんじゃないかな。ギリギリ」
近くを流れる万尾川が氾濫し店の周辺一帯が冠水しました。宮下さんが確認した時には、店内の調理場のシンクの高さまで水に浸かっていました。
「冷凍室4台と冷蔵庫が2台、オープンケースが1台、全部パーになったもんで。今度また同じような(災害が)来ないとも限らないから、元気もないというか…」
長年地域の人たちに愛されてきた鮮魚店です。大雨は、長年大切にしてきた多くの思い出の品も一夜のうちに奪いました。今後の営業については全く見通せていないといいます。
宮下鮮魚店 宮下誠さん
「事務所もパーやし、木材やから木にもにおいが残っとるし、もう壊すしかないでしょうね…」
川腰記者
「こちらの木材を見てみますと、私の腰の高さまで水があったことが分かります」
同じ万尾地区で木材加工を行う「岸田木材」も被災しました。木材や精密機械が浸水し、きょうも工場では水が引ききっていませんでした。洗浄や乾燥に時間がかかり、工場が再開できるまでには少なくとも1か月はかかるといいます。
岸田木材 岸田真志社長
「地震の後でやっと終わったなと思ったら、次雨降って。地震の場合はまだ見えるじゃないですか、何がダメになったとか、液状化どこがしたとか。雨の場合は水が引いちゃうとどこがダメになっているかもわかんないし、手の付けようがない…」
氷見市を中心に甚大な被害をもたらした今回の豪雨。氷見市ではきょう午後5時時点で、住宅の浸水被害が539棟に上っています。また山あいの地域では、土砂崩れなどにより3つの地区であわせて22世帯31人が孤立した状態が続いています。
浸水した地域では、きょうも住民が片付けに追われていました。
被災した住宅の女性
「何をどうしていけば…。一つ一つなんだけど、それしかないのかなって。友達とか親戚の方々がすぐ駆けつけてくれて…それだけでも…ごめんなさい」
一方すぐには片付け作業に取りかかれない人たちもいます。
大雨による大規模な地滑りで、所有する住宅など3棟が倒壊した氷見市長坂に住む男性です。
男性
「これからどうしたらいいのかなと。1人だと何から始めていいかわからないと思って、まずはり災証明書をもらった」
「長坂が好きでずっと通っているので、これをどう乗り越えていくか前向きに考えている」
氷見市粟原の住宅では、今回の豪雨で家のすぐ横の崖が崩れました。
粟原に住む 谷口健一さん
「もう完全に滝のようになっているでしょ」
「大変な豪雨で夜中も心配してたが、4時40分ごろガシャーンと。慌てて目が覚めたら、がけ崩れ」
家屋への被害はほとんどありませんでしたが、崩れた土砂が玄関先に流れ込んでいました。
粟原に住む 谷口健一さん
「粘土質で人力では困難なので、地域の建設会社に撤去をお願いするしかない」
「土砂を撤去しても怖いのは『二次災害』ですね」
土砂崩れは別の場所でも。
SAYS FARM 飯田健児マネージャー
「ほぼ20年やっているが、ここまで大きく崩れたのは初めて」
氷見市余川でブドウを栽培している「SAYS FARM」では、ブドウ畑の斜面が崩落しました。収穫の最盛期を迎えるタイミングでの被災でした。
SAYS FARM 飯田健児マネージャー
「大雨の前日に今年の収穫が始まったんで…はあ…」「水道を引っ張ってきているところも土砂崩れで、水道管がむき出しになっているんですが、それが寸断されなかったことだけが唯一の救い。まだ仕込みも、スタッフが来て収穫もできるので」
今回の豪雨は氷見市内の観光にも大きな爪痕を残しました。
佐伯アナウンサー
「氷見市指崎の民宿です。こちらの露天風呂にも大雨の影響が出ています。露天風呂に面した山肌が崩れて大きな岩が数多く落ちてしまっています」
湯の里いけもり 池森典子さん
「人力では(直すのは)無理」「重機が入ってこれないからいまだに答えが見つかってないです」
この民宿では、能登半島地震でも建物にひびが入るなどの被害を受け修繕したばかりでした。
湯の里いけもり 池森典子さん
「でもね他のところはね、もっと大変なところはありますから、頑張って、すぐ立ちなおします。立て直します」

