土砂に埋もれた集落(8月28日、ネパール中部ビドゥールで)

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 【カトマンズ=青木佐知子、ソウル=仲川高志】ネパール中国の国境地帯で26日に発生した大規模な土石流では、欧米やアジアなど世界中の人々が巻き込まれた。

 被災した外国人のうち、多いのはインドから中国チベット自治区を目指す巡礼者で、韓国の発電所作業員も被災した。

 ネパールにとって観光は重要産業の一つで、観光当局は外国人観光客の救出状況を連日発表している。28日時点の外国人観光客の行方不明者のうち、最多はインドの98人で、米国の65人、ウクライナの61人と続いている。ネパールのシシル・カナル外相は29日の記者会見で、「多くの外国人が行方不明となっており、捜索や救助活動は最優先事項だ」と強調した。

 インド人が多いのは、5〜9月がチベット側への巡礼シーズンとなっているためだ。ネパールの首都カトマンズの旅行会社によると、被災した国境検問所は、インドのヒンズー教徒や仏教徒などが巡礼に向かう際の主要ルートにあり、多くの巡礼者が滞在していたとみられる。

 印チベット専門家のビジャイ・クランティ氏は「インドから直接チベットに行くには、中印政府間の合意で巡礼者数に上限があり、ネパール経由で行く人が多い」と説明する。印政府は空軍の輸送機で救援物資を複数回送っており、救援要員も派遣している。

 観光客のほか、ネパールで働く外国人も被災した。韓国の聯合ニュースなどによると、水力発電所の建設に携わり、被災した韓国企業の韓国人従業員計19人のうち10人は避難したが、9人の安否が不明だという。

 韓国政府は27日、外交省や消防など計11人の対応チームを現地に送り、29日には9人を追加派遣した。救援装備・物資の輸送のため、空軍の輸送機「KC―330」を現地に投入する方針という。