日本郵便、支払期日を明示せずフリーランス法違反で勧告へ…公正取引委員会
フリーランスに配達業務や研修の講師などを委託した際に取引条件を明示していなかったなどとして、公正取引委員会は日本郵便(東京)のフリーランス取引適正化法違反を認定し、再発防止を求める勧告を行う方針を固めた。
関係者への取材で分かった。
同法は2024年11月に施行された。立場の弱いフリーランスを保護するため、発注者側が業務を委託する際は業務内容や報酬額、支払期日など必要な項目を書面やメールなどで明示することを義務付けている。
関係者によると、日本郵便は同法施行以降、宅配物の配送業務や研修での外部講師などを委託したフリーランス計百数十人に対し、支払期日などの取引条件を事前に書面などで明示していなかった。
日本郵便によると、慣例的にフリーランス側から請求書が届いてから支払いを進めていたという。業務委託時に支払期日を定めていない場合は、業務を提供した日が報酬の期日となるため、今回の公取委の調査では大半のフリーランスへの支払い遅延の違反も併せて認定される模様だ。
日本郵便は昨年12月、本社や全国13支社を対象とした内部調査結果を公表。取引条件を明示していない取引については、計223人のフリーランスを対象に計380件確認されたとしていた。
公取委の調査は今回、日本郵便の内部調査とは別に行われた。全国に約2万の郵便局があるが、時間やコスト面を考慮して調査対象を絞ったとみられ、同法違反になりうる取引はさらに多い可能性がある。
日本郵便は、同法施行前後で周知徹底が不十分だったことなどが原因とみている。既に昨年12月以降は、請求書が来てから支払う方法について、事前に取引条件を明示した発注書を交付する運用ルールに変更しており、今年2月にはマニュアルも整備したという。
日本郵便は読売新聞の取材に対し、「現在、公正取引委員会から調査を受けていることは事実。今後の見通しについては、調査を受けている立場であることから回答は差し控える」とコメントした。
