アメリカ食品医薬品局(FDA)が現地時間の2026年8月25日、糖尿病患者のケトン体レベルと血糖値の両方を継続的にモニタリングする初のウェアラブルデバイス「Libre Duo 10 Day」を承認しました。

FDA Authorizes First Wearable Device That Continuously Monitors Both Ketone Levels and Blood Sugar | FDA

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-authorizes-first-wearable-device-continuously-monitors-both-ketone-levels-and-blood-sugar

Abbott receives FDA authorization for world's first dual glucose-ketone sensing technology for people with diabetes - Aug 25, 2026

https://abbott.mediaroom.com/2026-08-25-Abbott-receives-FDA-authorization-for-worlds-first-dual-glucose-ketone-sensing-technology-for-people-with-diabetes

FDA authorizes Abbott's wearable to monitor ketone and glucose in diabetes patients | Reuters

https://www.reuters.com/business/healthcare-pharmaceuticals/fda-authorizes-abbotts-wearable-monitor-ketone-glucose-diabetes-patients-2026-08-25/

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、推定4010万人のアメリカ人が糖尿病を患っており、継続的な血糖値のモニタリングを必要とする状態だとのこと。糖尿病は血糖値を調節するインスリンというホルモンの働きが悪くなる病気であり、全体の5%を占める1型糖尿病では自己免疫の問題でインスリン産生細胞が破壊され、自分の体でインスリンを作ることができなくなってしまいます。

そんな1型糖尿病患者にとって深刻な問題のひとつが、糖尿病性ケトアシドーシスという急性の合併症です。糖尿病によるインスリン不足で体がグルコース(ブドウ糖)をエネルギー源として利用できなくなった際、体は代替となるエネルギー源として脂肪を分解し始めます。脂肪を分解することで生成されるのが、ケトン体という物質です。

体内でケトン体が過剰生成されると、通常は弱アルカリ性で保たれている血液が酸性になってしまい、強い喉の渇き・頻尿・体重減少・吐き気・嘔吐(おうと)・疲労感といった症状が現れます。治療されないまま放置すると意識障害が発生し、最悪の場合は死に至ります。



自らインスリンを産生できない1型糖尿病患者では、ケトン体レベルの上昇を早期発見することが非常に重要です。しかし、これまでケトン体レベルは一時点の測定値しか得られず、継続的に見てケトン体レベルが上昇しているのか、それとも下降しているのかを判断するのは難しかったとのこと。

ヘルスケア企業のアボットが開発したウェアラブルデバイス「Libre Duo 10 Day」は、皮膚直下の体液に含まれる血糖値とケトン体を昼夜問わず1分ごとに測定し、データをスマートフォンにワイヤレスで送信するものです。これにより、ケトン体レベルの異常な上昇を早期検出して、特定の値に達した時に自動でアラートを送信することができます。

アボットの糖尿病ケア事業担当エグゼクティブヴァイスプレジデントを務めるクリス・スコギンズ氏は、「ブドウ糖がスピードメーターだとすれば、ケトン体はエンジン警告灯のようなものであり、何らかの注意が必要であることを知らせてくれます。Libre Duo 10 Dayは、ブドウ糖とケトン体の両方のレベルを1つのダッシュボードにまとめて表示することで、糖尿病患者がより情報に基づいた意思決定を行えるよう、より包括的な情報を提供します」とコメントしました。

Libre Duo 10 Dayは最大10日間連続で着用可能であり、2歳以上の糖尿病患者を対象としています。アボットは2026年中にLibre Duo 10 Dayをアメリカで発売する予定であり、主要なインスリンポンプメーカーと協力して、将来的に自動インスリン投与システムと連携できるように取り組んでいるとのこと。

以下の画像で、赤枠で囲われているのがLibre Duo 10 Dayです。パッチ型のウェアラブルデバイスとなっており、日常的な動作を妨げることなく着用できます。



イェール大学医学部の小児内分泌専門医であるジェニファー・シャー氏は、「医師として、糖尿病性ケトアシドーシスがどれほど急速に進行するか、そして早期の警告サインやケトン体測定の機会がどれほど見逃されているかを目の当たりにしてきました。アボットのデュアルグルコース・ケトンシステムは、バックグラウンドでケトン体データが収集されるため、ケトン体レベルの上昇をより早期に把握できるという点で意義深いものです」と述べました。