GKは周囲との連係が欠かせない。選手の退団が多いなかで、加入から数日しか経っていない鈴木まで一気に入れ替えるのはリスクもある。まして31日の次節は昨季王者アーセナル戦だ。プレミア初出場がその相手となり、大量失点に巻き込まれれば、本人に責任がなくても最初の印象は厳しくなる。
 
 ただ、ブライトン戦を見ると、待つことが安全策とも思えない。1失点目はDFパウ・トーレスの不用意なバックパスからGKビゾトが前へ引き出された。ビゾト自身は前半、ディエゴ・ゴメスのシュートを右手一本で弾く好セーブを見せたが、守備全体の連係はつたなかった。

 そもそも前半は簡単に決定機を許し続け、退場者が出た後にブライトンがペースを落としたことで、0-4でなんとか収まったようにも見えた。

 そんなチームで鈴木が起用されれば、まず求められるのは当然、セーブだろう。危ない場面で1本、2本と止め、チームを救えるか。相手がアーセナルなら難易度は高いが、逆に決定機を何度も防いで勝点につなげれば、1試合でサポーターの信頼を掴むこともできる。

 ブライトン戦後の会見も、ビラが落ち着いた状態にないことを感じさせた。移籍を望むFWオリー・ワトキンスに関して記者から質問が重なると、エメリ監督は「彼に電話して聞いてくれ」と返した。
 
 さらに質問が続き、クラブ広報が「同じ質問を3回している」と遮る場面もあった。開幕戦への出場を拒んだのではないかと報じられるワトキンスの話になるたび、エメリ監督の表情は極めて険しくなった。

 鈴木に出番は来るだろう。ただ、それがアーセナル戦なのか、もう少し先なのかは読みにくい。エメリ監督は「将来ではなく今のため」に獲得したと言った。その「今」をいつにするのか。ビラの再出発とともに、監督は難しい判断を迫られている。

文●田嶋コウスケ

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