新スタジアム鴨池庭球場へ一本化 下鶴市長が追い続けた“夢のスタジアム” 複合型を断念し現実路線へ
鹿児島市の下鶴市長が目指してきた「多機能複合型」のスタジアム、24日「複合型」の文字が消えました――。商業施設などと組み合わせる「複合型」を断念しました。候補地については、鹿児島市与次郎の県立鴨池庭球場の敷地、1か所に絞り込んだことを明らかにしました。
■「試合のない日の集客は」方針の変更に疑問の声
鹿児島市議会の産業観光企業委員会。鹿児島市が、建設を目指す新たなスタジアムについて方針が示されました。
「県立鴨池庭球場敷地等を候補地として検討を進めることとし、鹿児島サンロイヤルホテル敷地等は検討対象から除外することと致します」
県立鴨池庭球場を候補地とすることを明らかにしました。理由については、費用面、時間軸でメリットがあることが確認できたとしています。外観のイメージを改めて確認すると。白波スタジアムと川商ホールの間に建設を目指します。下鶴市長が目指してきた「多機能複合型」については…。
(鹿児島市観光交流局・児玉博史次長)
「別の商業施設などと組み合わせるのは、県立鴨池庭球場敷地等の場合、活用可能な敷地の確保が難しいことや、可能な限り整備費の縮減に努める観点から検討は行わないこととします」
商業施設と組み合わせる複合型を断念することを明言しました。目指すスタジアムの形が変わったことについて、委員から疑問の声があがりました。
(池山委員)
「試合がない時にも人を呼べるのか?私は非常に疑問に思う所ですけれども…」
冷静な対応を求める声も聞かれました。
(大木委員)
「中には、厳しい意見をいただくこともある。こんなご時世で大きなものを作る必要があるのか」
賛成する人だけでなく反対する人の声も聞いて欲しいといった声が聞かれました。
■候補地一本化も整備費用など課題は山積
鹿児島市は今後の検討の進め方について、市議会での議論を踏まえた上で県に伝えたいとしています。
(内田直之キャスター)
「鹿児島サンロイヤルホテルの跡地と県立鴨池庭球場。新たなスタジアムの候補地として比較、検討してきた鹿児島市ですが、今日、庭球場敷地1か所に絞り込みました。ただ、費用をどこがどう負担するかなど決まっておらず、越えなければいけない課題は多くありそうです」
鹿児島市が1か所に絞り込むのは「北ふ頭」に続いて2回目です。テニス場は、目の前の文化公園に移すとしていますが、その費用を誰がもつのか決まっていません。テニスコートの利用者は――。
(大学生)
「J3でしたっけ。まだJ3なので。J2の上位、J1になってからでもいいのではと思いますね」
「稼げるスタジアム」・「子育て支援」を柱に掲げ、2020年に初当選した下鶴市長。県議時代、数々の海外のスタジアムを視察した経験から、理想のスタジアムについてこう語っていました。
(鹿児島市・下鶴市長)
「サッカー場だけがあるだけではなく、飲食であったりショッピングであったり、サッカーに限らず、あらゆる考えを持ったあらゆる世代の人たちが楽しめる場所を目指したい。確かに日本で成功している事例はない。それをやるというのは面白くないですか?」
ドルフィンポートの跡地や北ふ頭を候補地として掲げたものの、その後、断念した下鶴市長。1か所に絞り込みましたがスタジアムの整備費用は誰がどれだけ出すのか?見通しは立っていません。
(内田直之キャスター)
候補地が県立庭球場になった理由について、鹿児島市は「費用面」と「時間軸」をあげます。概算の整備費用は215億円。県立庭球場は、鹿児島市の土地なので土地の取得費用がかからず、サンロイヤルホテルよりメリットがあるといいます。もう1つの時間軸。庭球場の方が、より早く完成する可能性があるとしています。
■構想転換で問われる市長の説明責任
鹿児島市が建設を目指すスタジアムのイメージです。白波スタジアムと川商ホールの間に建設し、庭球場は向かいの文化公園に移す考えです。商業施設などと組み合わせる「複合型」は断念したので、基本的にはシンプルなサッカースタジアムを目指していくということになりそうです。当初、目指していたものとは大きく変わってきました。
24日、下鶴市長にインタビューを求めましたが公務の都合がつかずコメントが発表されました。「今回の候補地選定がスタジアム整備に向けた大きな節目であると考えている。市議会定例会の論議も踏まえた上で市の考えを県に伝えたい」などとしています。
下鶴市長が目指していた「多機能複合型」を期待していた鹿児島市民も少なくないはずです。26日、市長の定例会見が予定されていて下鶴市長が何を語るのか?注目されます。スタジアム構想は、大きな予算が必要な大事業です。より多くの人の理解を得るためにもこれまで以上に下鶴市長の丁寧な説明が求められそうです。

