トランプ氏=ロイター

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 【ワシントン=関根晃次郎、ニューヨーク=大月美佳】トランプ米政権は22日、カナダに対する50%の追加関税を発動した。

 カナダ側も米国に対して同規模の報復関税を9月8日から課すとしている。発動期限を3日延長して協議を続けたが、決裂した形だ。両国の関係悪化は北米の企業活動に影響する恐れもある。

 米国の追加関税は、1930年関税法(スムート・ホーリー法)338条に基づく措置。カナダ産の乳製品やアルコール飲料、自動車部品などが対象となる。

 7月の米通商代表部(USTR)の説明によると、対象製品は約200億ドル(約3・2兆円)相当に上る。米国が同法に基づく関税を発動するのは初めて。

 カナダのカーニー首相は21日深夜の声明で、「米国の土壇場での条件変更は不公正かつ経済的に不合理なもので、合意の信頼性も疑わしいものにした」と不満をあらわにした。USTRも22日、「カナダが、最終決定することを拒否した」とSNSに投稿し、カナダ側を非難した。

 両国の協議を巡っては、米国側がカナダ製の自動車に対する関税を現在の25%から15%に引き下げることを提案するなど一定の調整が進み、一時は両首脳が合意に近づいたとの見解を示していた。カナダの公共放送CBCによると、米国政府内で、自動車関税の引き下げなどに対する異論が出て、カナダとの溝が埋まらなかったという。

 米国とカナダは、メキシコも含めた北米3か国で自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を締結しており、自動車を中心に製造業の供給網は北米地域にまたがっている。

 ピーターソン国際経済研究所のゲーリー・ハフバウアー上級研究員は、「北米3か国の(貿易協定の)枠組みも不透明なものとなり、北米経済の競争力の低下につながる恐れがある」と指摘している。