「妻は私の獣医」史上最高出演料160億円のロバート・ダウニー・Jr. 復活の裏にある“内助の功”

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父から大麻を与えられて

アイアンマン』シリーズなどで知られる米俳優ロバート・ダウニー・ジュニア(61)が『アベンジャーズ』シリーズ最新作2本に出演することが決まった。1本のギャラが5000万ドル(約80億円)で合計1億ドル(約160億円)にのぼり、ハリウッド史上最高の報酬と話題を呼んでいる。

ダウニーは12月公開の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』と来年公開予定の続編『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』で緑のマントをまとったコミック界の悪役の象徴ドクター・ドゥームを演じる。

米サイト『BroBible』によると、同シリーズ最新作2本で1億ドルの報酬を得る見込みで、スーパーヒーロー映画史上で最高額の報酬を得る俳優となる。

ダウニーの契約は、映画史全体を通しても最大の「前払い報酬」となる可能性があるという。これまでの記録保持者はダウニー自身で、『アベンジャーズインフィニティ・ウォー』(’18年)と『アベンジャーズ/エンドゲーム』(’19年)で計7500万ドルを稼いでいる。

高額ギャラといえばトム・クルーズを思い出すが、彼も『ミッション:インポッシブル』シリーズや『トップガン:マーヴェリック』で7500万ドル〜1億ドルの収入を得ている。だが、これらの数字は、公開後の映画の利益の歩合報酬を加えたもので。ダウニーの1作品あたり5000万ドルは、基本報酬だという。

そうしたなか、過去の薬物依存からの奇跡の復活を遂げたダウニーの“影の支配者”の存在が取り沙汰されている。

「ダウニーは1996年に麻薬不法所持で初めて逮捕され、カリフォルニア州立刑務所に1年入所。’01年にコカイン所持で逮捕され3年間の保護観察処分と1年間のリハビリ施設収容を命じられています。法廷で、6歳のときに父親の映画監督ロバート・ダウニー・シニアから大麻を与えられたことがきっかけで薬物に依存するようになり、『僕にとってドラッグをやることは、口の中にショットガンを突っ込み、引き金に指をかけているようなものだ。そして、銃身の金属の味が好きなんだ』と陳述したことなど深刻な薬物依存が当時米メディアに報じられ、再起は絶望的といわれました」(ハリウッド事情通)

チャップリンを演じてアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『チャーリー』(1992年)や『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994年)などで人気のハリウッドスターが、オレンジ色の囚人服を着せられ手錠をかけられ鎖につながれて法廷に姿を現すテレビ映像が日本のニュース番組などで流れるのを目にして衝撃を受けたのを覚えている。

薬か私か、どちらかを選んで

そんなダウニーを破滅の淵から救い出したのが、’03年に婚約して’05年に結婚した映画プロデューサーのスーザン・ダウニー(52)だという。

英紙デイリー・メール(電子版)の取材にダウニー夫妻をよく知る関係者は、

〈スーザンがいなければ、ロバートは生きていなかったでしょう〉

と明かし、

〈彼女はまさに『影の支配者』で、もしスーザンが彼を選ばなかったら、今ごろ彼はどん底か、それ以下の状態になっていたことは誰の目にも明らか〉

という。

スーザンは薬物依存症からなかなか抜け出せなかったダウニーに

「薬か私か、どちらかを選んで」

と最後通告を突きつけ、ダウニーは所持していた薬物を太平洋に捨て、スーザンの30歳の誕生日の前夜にプロポーズしたという。

映画『オッペンハイマー』(’23年)で、米国の原爆開発を主導した物理学者オッペンハイマーと対立する米原子力委員会の委員長ルイス・ストローズを演じて、第96回アカデミー賞助演男優賞を受賞した際、ダウニーは受賞スピーチで、

「あそこにいる私の獣医、いや、妻のスーザン・ダウニーにも感謝したい。彼女は、唸り声を上げる動物のような私を見つけ出し、愛を注いで私を生き返らせてくれた。だからこそ、私は今ここにいるのです」

と妻への感謝を語っていたのは記憶に新しい。

まさに“猛獣使い”のごとく、夫を立ち直らせた妻・スーザン。ダウニー・ジュニアが、ハリウッドの頂点に上り詰めたのは、“内助の功”が大きかったようだ。

取材・文:阪本 良(元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長)