トランプ氏の「ウソ」に配慮? 北朝鮮・金与正氏が談話
北朝鮮の金正恩総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党中央委員会総務部長が19日、朝鮮中央通信を通じ、ウクライナ情勢や日本、米国との関係を包括的に論じる異例の談話を発表した。
金与正氏は談話で、金正恩総書記との間で最近、何らかの「やりとり」があったとするトランプ氏が発信した情報について、次のように述べた。
「私は全く知らないことであり、おそらくわが最高指導部の対外政策に関連して私が知らない唯一の事案であろう」
「最高指導部の対外政策について自分が知らない唯一の案件」という表現には、「そんなことが本当にあり得るのだろうか」と情報の信憑性を疑うニュアンスがにじむ。実質的な体制ナンバー2とみられる金与正氏に、金正恩氏が全く相談しないという構図は、客観的に見ても不自然だ。
その一方で、「両首脳の接触はなかった」と明確に否定したわけでもない。これは虚偽、あるいは誇張した情報を流した可能性のあるトランプ氏への、配慮である可能性がある。
(参考記事:「妹じゃなきゃ処刑だ」金正恩と与正の微妙な権力均衡と”後継者ジュエ”登場の衝撃)
しかも続けて、金正恩氏がトランプ氏に「個人的によい追憶と感情」を持っているとし、「両指導者の関係は、依然として立派である」と強調した。
対照的に、トランプ氏が打ち出した米韓合同軍事演習の縮小については「評する価値もない」「全く興味を感じない」と一蹴。「善意の措置」として北朝鮮から何らかの反応を引き出そうとしても「願う答えが出ない」と警告した。
つまり、「首脳間の個人的関係は良好だが、演習の部分的縮小程度では対話には動かない」というメッセージにも読める。米側に、もう一段踏み込んだ措置を暗に求めている可能性がある。

