「使えない幹事長」と一蹴…鈴木俊一氏交代説のウラで高市首相が描く“初の女性幹事長”抜擢のシナリオ

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「使えない幹事長」高市首相が漏らした本音

8月15日・終戦の日、靖国神社(東京・千代田区)では開門の午前6時前には参拝客が長蛇の列をなしていた。靖国神社は「静謐と尊厳の維持」を掲げ、立て看板で「境内における軍装着用の禁止」を謳うも、現職自衛官の制服着用は許され、迷彩服もお咎めなしだった。

多くの参拝者で賑わう中、総理大臣就任後も15日に参拝する考えを表明していた高市早苗首相(65)は諸外国の反応を考慮してか参拝を見送った。代わって、鈴木俊一自民党幹事長(73)、有村治子総務会長(55)、西村康稔選挙対策委員長(63)が揃って訪問。選挙区内に千葉県八千代市が含まれる小林鷹之政調会長(51)は豪雨被害の対応で急遽取りやめ、翌16日に訪れ、自民党4役が揃って参拝となった。

「自民党の党役員が揃って参拝するのは異例のこと。保守色を強く打ち出しておらず、温厚な人柄で知られ、『和の政治』を標榜する鈴木氏の参拝は数日前まで話題にもなっていなかった」(全国紙政治部記者)

高市氏は秋の臨時国会の前に内閣改造・党役員人事に着手すると目されている。とりわけ選挙を司る党内ナンバー2の幹事長ポストが鈴木氏の留任なのか、実務を担ってきた萩生田光一幹事長代行(62)を昇格させるのか、はたまた別の誰かに交代させるのかが、永田町で話題となっている。

鈴木氏は鈴木善幸元総理(享年93)を父に、麻生太郎副総裁(85)を義兄に持つ「政界サラブレッド」だ。前任の森山裕元幹事長(81)のような与野党に人脈を持ち、厄介ごとをまとめ上げることに卓越した手腕には乏しい。高市氏は、今年1月の解散を鈴木氏に事前告知もせず、周囲に「使えない幹事長だから」とこぼしているといわれている。

「総理官邸と自民党本部の間に深い溝がある。安倍政権では二階俊博元幹事長(87)が党内を掌握し、安倍氏も閣議後などちょっと時間が空くと車を走らせ、自民党の幹事長室にこもっていた。

だが、高市氏は党役員会以外では党本部に顔を見せる回数も少なく、来ても麻生氏と主に対話をし、麻生氏の横に幹事長が同席し、鈴木氏からの発言はあまりないようだ。維新の幹部との根回しは幹事長代行の萩生田氏が担い、鈴木氏が実務で何かを成し遂げたことは記憶に薄い。しかし、麻生氏の義弟で麻生派ナンバー2でもあり、総裁選では麻生派のおかげで総裁になれた高市氏も簡単に首をすげ替えるような真似はできない」(同記者)

有村治子氏を幹事長抜擢すると「三方良し」

来年秋の総裁選を考えれば麻生派60名を味方につけて敵に回したくはない。麻生氏の顔色をうかがう意味でも幹事長留任で、決するかーーと目されていた矢先、とある人物の幹事長就任の話が永田町内で静かに持ち上がっている。

旧安倍派参議院議員が小声でこう語る。

「有村治子総務会長を幹事長にすると三方良しの人事となる」

有村氏は女性活躍担当相などを歴任した当選5回の参議院議員だが、比例代表(全国区)で選挙区はない。選挙区もない参議院議員が幹事長昇格となれば異例の人事といえよう。

「党の慣例からすれば参議院議員の幹事長抜擢は考えづらいが、最大のポイントは有村氏が麻生派所属で、麻生氏とも気安い仲であること。鈴木氏から交代しても、有村氏なら麻生氏の思惑を汲める幹事長となる。

また終戦の日に靖国参拝したように保守色を打ち出し、高市氏とも仲が良い。高市氏の気質や政策も理解しており、高市氏も『私の思惑を汲める幹事長』として座りがいい」(同議員)

有村氏が現在の総務会長ポストを射止めたのも高市氏の抜擢によるもの。昨年8月、「石破おろし」が吹き荒れる中、両院議員総会で司会役の有村氏が臨時総裁選開催の是非を問う申し入れをしたことが石破氏辞任の呼び水となり、結果、高市政権の誕生へとつながった。

「背後に麻生氏がちらつくが、石破政権を瓦解させた有村氏の手腕を高市氏は高く買っていた。派閥裏金問題で、『裏金議員』と謗られた萩生田氏の厳しい選挙に有村氏が駆けつけて選挙応援をしたことで萩生田氏も恩に感じている。

有村氏は寝首をかくような気質でもなく、仮に幹事長就任となれば、自民党の歴史上初めての女性幹事長の誕生で、大きなサプライズとなる。女性の総理・総裁と幹事長のセットで喧伝され支持率アップにつながろう」(同議員)

お盆期間で閑散とした永田町で、驚きの人事情報がまことしやかに流れている。

取材・文:岩崎大輔