59歳カズ、23年ぶり天皇杯ゴール!しかも2発!「みんなに助けられて…」年下の仲間たちに感謝…“ダンス”は封印
◆天皇杯 ▽1回戦 福島7―0大山クラブ(19日・とうスタ)
カズがゴールを決めた! それも2発だ! 1回戦24試合が行われ、J3福島の元日本代表FW三浦知良(59)は、ホームでの東北1部・大山クラブ(山形)戦に先発出場。前半12分にPKから先制点を決め、公式戦での自身の最年長ゴール記録を59歳174日に更新した。天皇杯本大会では23年ぶりのゴールとなり、さらに4―0の後半10分には再びPK弾で追加点。チームを7―0の大勝に導いた。
カズがまたも新たな歴史を作った。前半12分、味方がエリア内でファウルをもらうと、主将マークを巻いた腕で力強くボールを抱き、真っすぐにPKスポットへ向かった。「相手のブーイングもなく、静かだった。みんなの視線をとにかく受け続けるような感じだった」。ただ、プレッシャーは慣れている。神経を研ぎ澄ませ、力強く右足を振り抜くと、相手GKの逆をついたキックがゴール左に突き刺さった。59歳174日弾で、徐々に高まったボルテージは一気に爆発した。
恒例の“カズダンス”は披露しなかったが、ゴール直後には右手を突き上げ、チームメートとハイタッチを交わして歓喜に浸った。天皇杯本大会では神戸在籍時の03年12月23日の準々決勝・C大阪戦以来23年ぶり。21年6月9日に札幌(当時J1)の小野伸二が記録した41歳255日の大会最年長ゴールの記録も塗り替えた。充実した笑顔のカズは「いい緊張感を与えてくれるのがPK。練習は常にしていたので、その成果が出て良かった」と汗をぬぐった。
さらにここで終わらず、後半9分には味方のパスに抜け出して自らPKを獲得。再びPKのキッカーを務め、ゴール左へ狙いを定めると、相手GKが届かないコースへ放った。複数得点もキングは表情を崩さず、貫禄を漂わせた。カズの複数得点(リーグ戦に限る)は、00年・京都在籍時のV川崎戦(西京極)でのハットトリックや、海外(オーストラリア)では05年11月27日・シドニーFC時代のAリーグでの2得点の例がある。
今季でプロ42年目。今季中の来年2月26日に60歳の節目を迎え、初の“還暦Jリーガー”となる。だが、何歳になろうと、サッカーへの情熱は衰えない。オフは大阪府内で自主トレキャンプを張り、「だいぶ走り込んだ」とスタミナ強化に着手。過去数シーズンは度重なるケガに悩まされ、今年の百年構想リーグでのプレー時間の最長も22分だったが、この日は58分も出場した。2点を決めても決して満足しておらず、「(プレーの)流れから惜しいシュートがあった。何本かある中の1本はやっぱり決めたい」と、さらなる向上心をのぞかせた。
今季だけで既に公式戦で3得点を記録しており、得点感覚が健在であることは証明済み。体のキレも年齢を感じさせない。「みんなに助けられている。みんなとのハーモニーの中で(自分も)良くなっている」とカズ。日本サッカー史に残るレジェンドは、何歳になっても、偉大なストライカーであり続ける。(浅岡 諒祐)
◆カズの50歳以降の得点
▼17年3月12日(50歳14日)J2横浜FC時代の群馬戦で、こぼれ球を左足で押し込み、J史上初50歳ゴール
▼22年10月30日(55歳246日)JFL鈴鹿での枚方戦でPKで得点
▼22年11月12日(55歳259日)同クラブでのFC大阪戦で頭でゴール
▼26年7月25日(59歳149日)J3福島で天皇杯県予選決勝・いわき古河FC戦でゴール
▼26年8月19日(59歳174日)同クラブで天皇杯・大山クラブ戦でPKで2得点
◆カズが達成した主な記録 59歳174日でのゴールは、21年の小野伸二(札幌)が記録した41歳255日の大会最年長を更新。シーズン公式戦3得点も22年JFL・鈴鹿ポイントゲッターズ在籍時に記録した2得点を上回った。
