牟岐町に年間1500人の若者が集う 「未来を語るマチ」の仕掛け人【徳島】
過疎化が進む県南、牟岐町。
高校も大学もないこの町で今、マチづくりを支えているのは全国から集まった若者たちです。
若者たちはナゼ、牟岐町に集うのか?その仕掛け人を取材しました。
(牟岐キャリアサポート・大西浩正さん)
「農業体験であったり、そのお手伝いっていうのは、農家に負担掛けるだけで終わっちゃうっていうのがある」
「自分事で確信持てるようなアイデアを出してほしい」
12年前、牟岐町に全国から高校生や大学生が集まる、サマースクールが開催されました。
当時、県の職員だった大西さんはその立ち上げと運営に携わり、以来10年以上、牟岐町で若者による町おこしに取り組んでいます。
牟岐町の人口は現在、約3200人。
毎年100人規模で減少していて、過疎化は深刻な問題です。
そこで大西さんが着目したのが、「関係人口」の存在でした。
「関係人口」とは、単なる移住者でも一回限りの観光客でもなく、町に強い愛着を持ち、多様な形で関り続ける人々のこと。
「まず今から15分くらいで、アイデアの整理を改めてしてください」
この日開かれたのは「関係人口」として、どう町に貢献できるかを考えるサミット。
県内外から大学生や社会人など、約20人の若者が集まり、熱い議論を交わしました。
(参加者)
「守り方をどうするか、理由とか価値が曖昧だから、そこを見出していくためにどうするか」
(牟岐キャリアサポート・大西浩正さん)
「牟岐町は年間1500人程度、県外から若者、大学生を中心に若い人たちが入っています」
「若い関係人口を増やすことによって、マチの今までできなかったことを可能する」
参加者の多くは、かつてサマースクールで牟岐町を訪れた経験を持ちます。
「思い出の地を元気にしたい」という一心で再び駆けつけたのです。
(参加者)
「今まではインターンは2週間以上いられる人が対象だったけど、さらに広めて1日とか3日とかでも参加できる」
この日は離れた場所にいながらできる町への貢献策や、特産品の「実生ユズ」のPR方法などについてアイデアを出し合いました。
出てきた案は、大西さんと牟岐町の職員が一緒に磨き上げていきます。
(参加者)
「財源はふるさと納税です」
「ふるさと納税、例えば1万円で牟岐サブスク12か月入れますって提供してみて、返礼品がどれかは分からないけど」
(牟岐キャリアサポート・大西浩正さん)
「今、サブスクって形で言われていたけど、(過去には)ふるさと牟岐応援店ってやろうとした」
(牟岐町企画政策課・中山拓真さん)
「みんながやって面白いと思えるものじゃないと、続かないってところが前提にあると思うので、そこは突き詰めて考えてもらいたい」
(東京から)
「10年前に牟岐に初めて来たんですけど、その時は高校生で強烈な思い出がある場所っていうふうに思っているので」
「自分の思い出の場所が、より長く続いてほしいって気持ちもあるから、なくなってほしくないって気持ちもあるので」
「そこは胸に想いながら、きょうは参加してました」
(埼玉から)
「自分の地元とは違って、第二の故郷的な、帰りたい場所みたいな感じなので、『実家』に貢献できたらいいみたいな気持ちがある」
各グループでアイデアがまとまると、町の幹部職員らを前に、街づくりに向けた具体的なアプローチをプレゼンテーションしました。
(参加者)
「実生ユズは種から発芽して収穫までに18年かけて成長する。課題としては認知度や文化・継承が不足していて、周知が足りていない」
「実生ユズを自分たちの文化だと認知するためにはどうすればいいのか考えた結果、このような一年間の探究プログラムを設立しました」
「次に関係人口なんですが、町の人と関わるきっかけにもなるし、また牟岐へ帰ってきたいと思うきっかけにも繋がるのではないか」
(牟岐町企画政策課・久秀明 課長)
「コーディネートしてくれる人がいて、継続的な取り組みがあれば、実生ユズが牟岐の文化として受け継がれていくのかなと思うので」
(牟岐町・白木健治 政策監)
「これ絶対実現できると思います」
「牟岐町としても、応援できるところは応援していきますので、よろしくお願いします」
このほか、「関係人口」同士を繋ぐコミュニティづくりや、スキマ時間を活用して町で働ける仕組みなど、若者らしいアイデアが数多く出されました。
(牟岐キャリアサポート・大西浩正さん)
「面白いアイデアがいくつも出ましたので、必ず小さい形であっても実際に試してみる、実験をしてみる」
「それで良い成果を今後、本格的な事業に繋げていくことが、町の協力を得てできればいい」
(牟岐町・白木健治 政策監)
「すごく若者らしい良いアイデア、良い意見が出たと思います」
「牟岐町といたしましても、実現に向けて頑張っていこうと思います」
過疎化という厳しい現実の中でも、年間1500人もの若者が集い「未来を語るマチ」。
その熱気を、大西さんはずっと見守っててきました。
(牟岐キャリアサポート・大西浩正さん)
「大学生や若者の関係人口と一緒にやると、その子自体の一年間の成長も見えますし、自分にとっても新しい刺激もいただけるし」
「本当に生きがいにみたいになってますので、非常に信頼のおける若者たちと一緒にやれることは大きな喜びです」
(牟岐キャリアサポート・大西浩正さん)
「そして、そのことが町のためとか地域のため、もしくは牟岐だけじゃなくて、よその地域の先行事例にもなっていくというのは嬉しいこと」
大切な思い出の場所をずっと未来へ。
大西さんと若者たちの挑戦は、こらからも続いていきます。
