過去に重度の日焼けを経験した人は生涯にわたる皮膚がんリスクが高まる可能性

子どもの頃は夏休みの間も部活や遊びで屋外を走り回っており、毎年のように日焼けしていたという人もいるはず。合計32万人以上を含んだ分析により、過去に重度の日焼けを経験した人は生涯にわたって皮膚がんリスクが高まる可能性があることが判明しました。
Sunburn and Cutaneous Squamous Cell Carcinoma: A Meta-Analysis | Dermatology | JAMA Dermatology | JAMA Network
Can One Severe Sunburn Increase Your Cancer Risk? | University of Rochester Medicine
https://www.urmc.rochester.edu/news/publications/health-matters/can-one-severe-sunburn-increase-your-cancer-risk
Bad News: Just One Intense Sunburn Really Can Be 'Life-Changing' : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/bad-news-just-one-intense-sunburn-really-can-be-life-changing
紫外線への暴露が皮膚がんリスクを高めることは広く知られており、大人になってからは日焼け止めを塗ったり、日傘を差したりするようになったという人は多いはず。しかし、時には油断したままバーベキューや海水浴に行ってしまい、ひどい日焼けを負ってしまうこともあります。また、子どもの頃は日焼けに対する警戒心が薄く、何も気にせず毎年のように日焼けしていたという人もいるかもしれません。
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの皮膚科医であるアイザック・ウェーバー氏らの研究チームは、最も一般的な皮膚がんのひとつである皮膚扁(へん)平上皮がん(cSCC)の発症リスクが、重度の日焼け歴とどのように関連しているのかを調べる研究を行いました。
研究チームは科学データベースから収集した、合計32万1473人の被験者を含む17件の研究データを用いてメタアナリシスを実施。可能な限り年齢・性別・肌の色・肌の敏感さを調整した上で、さまざまな種類の日焼け歴と皮膚扁平上皮がんの発症リスクとの関連性を分析しました。

分析の結果、生涯において痛みを伴う日焼けや水ぶくれができるほどの日焼け、あるいは重度の日焼けを中程度の頻度で経験した人は、そのような日焼け歴がない人に比べて皮膚扁平上皮がんの発症率が51%も高いことがわかりました。また、これらの日焼けを高頻度で経験した人は、発症率が69%も高くなったと報告されています。
生涯に一度でもこのような深刻な日焼けを経験していると、皮膚扁平上皮がんのリスクは38%増加しました。さらに、幼少期に同様の深刻な日焼けを高頻度で経験していた人では、皮膚扁平上皮がんのリスクが約3倍になることも判明しました。
一度日焼けすると、たとえ表面の皮膚が剥がれたり肌の色が戻ったりしても、紫外線によるDNAへのダメージは残ります。今回の研究には関与していないロチェスター大学ウィルモットがん研究所のエイドリアン・ビクター氏は、「体がその損傷を修復する際に、時としてミスが発生することがあります。これらの突然変異は時間の経過とともに蓄積し、皮膚がんの発症につながる可能性があります」と述べています。
また、ロチェスター大学の小児皮膚科部長であるジニア・エル=フェガリー氏は、「子どもは色素を生成する皮膚細胞の生物学的特性や、日光にさらされる可能性が高いこと、日焼け止めをきちんと使用していないことなど複数の危険因子があるため、より影響を受けやすいのです」とコメントしました。

科学系メディアのScienceAlertは今回のメタアナリシスについて、皮膚に見えるような損傷を与える日焼けは避けるべきだと示唆するものだと主張。過度な日焼けから身を守るためには服をちゃんと着て日焼け止めを塗り、帽子をかぶるなどの対策や、そもそも真昼の日差しを避けるなどの心構えが必要だとアドバイスしました。
