夫は「年収600万円」で、わが家の生活費は“月40万円”…もし夫が死亡したら「遺族年金」はいくら支給されますか? 私が“パートで月収10万円”なので、万一のとき生活できるか不安です

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家計をメインで支えている夫に万一のことがあった場合、残された家族が受け取れる遺族年金は重要な生活保障になります。とはいえ、多くの人は遺族年金で生活していけるのか不安に思うでしょう。   本記事では、夫婦と子ども2人で生活費が月40万円の家庭を想定し、年収600万円の夫が死亡した後、夫の遺族年金と妻の月10万円のパートで生活ができるのか解説します。

遺族年金には2つの種類がある

遺族年金には、主に「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。遺族基礎年金は、亡くなった人に生計を維持されていた子どものいる配偶者が対象です。
なお、ここでいう子どもは、原則として18歳になった年度の3月31日までにある子(障害等級1級または2級の障害状態にある場合は20歳未満)を指します。
また、夫が会社員として厚生年金に加入していた場合は、一定の要件を満たすと遺族厚生年金も受け取れます。子どもが対象年齢であれば、妻は両方を受給できる可能性があるでしょう。

年収600万円の夫なら遺族年金はいくら?

2026年度の遺族基礎年金は年額84万7300円で、1人目と2人目の子どもには、それぞれ年額24万3800円が加算されます。そのため、子どもが2人いる場合に受け取れる遺族基礎年金は次の金額です。
84万7300円+24万3800円×2人=133万4900円
さらに、夫の厚生年金加入期間を25年、平均年収を600万円として概算すると、遺族厚生年金は年額約61万7000円となります。両方を合わせると、年間約195万2000円、月額では約16万3000円です。
ただし、実際の金額は標準報酬や年金加入履歴によって異なります。

パート収入を合わせると月約26万円

遺族年金が月約16万3000円、妻のパート収入が月10万円であれば、毎月の収入は合計約26万3000円です。
なお、遺族年金は非課税ですが、パート収入には金額に応じて税金や社会保険料がかかる可能性があります。そのため、家計に実際に入る金額は条件によって変わるでしょう。

死亡後の生活費はいくら?

夫が亡くなった後の生活費は、現在と同じ月40万円をそのまま使うとは限りません。住居費や教育費、光熱費などは大きく減らないかもしれませんが、夫本人の食費や小遣いなどが減る可能性があります。
なお、生命保険文化センターの生活設計シミュレーションでは、夫の死亡後に必要となる家族生活費を、現在の生活費の約70%として計算する考え方が示されています。この考えを参考に、今回の生活費40万円に70%を掛けると、死亡後の生活費は月28万円です。
これに対して、遺族年金とパート収入の合計は月約26万3000円なので、毎月約1万7000円、年間では約20万円不足する計算になります。
この場合、大幅な赤字ではありませんが、子どもの教育費や住宅修繕費などが重なると、家計が厳しくなる可能性はあるでしょう。

子どもの成長後は遺族基礎年金がなくなる

ここで注意したいのは、遺族基礎年金と子の加算が永続するわけではないことです。
子どもが原則として18歳到達年度の末日を迎えると、遺族基礎年金の対象から外れます。2人とも対象外になれば、年額133万4900円の遺族基礎年金は受け取れなくなり、遺族厚生年金が収入の中心になります。
もちろん、その頃には子どもが独立し、生活費や教育費が減っている場合もあるでしょう。現在だけでなく、子どもの成長に伴う収支の変化も確認しておく必要があります。

生命保険や貯蓄も合わせて考えよう

今回の試算では、遺族年金とパート収入だけでは月28万円の生活費にわずかに足りない結果となりました。しかし、夫の死亡退職金や勤務先の弔慰金、生命保険金、預貯金があれば、不足分を補える可能性があります。
また、住宅ローンに団体信用生命保険が付いていれば、夫の死亡後にローン残高が完済され、住居費が軽くなるケースもあるでしょう。
まずは、夫の生命保険の保障額や団信の有無、勤務先の制度、現在の貯蓄額を確認することが大切です。

まとめ

子ども2人の会社員家庭で、夫の年収を600万円、厚生年金加入期間を25年とすると、遺族年金は月約16万3000円と概算されます。
妻のパート収入月10万円を加えれば、収入は月約26万3000円です。一方、死亡後の生活費を現在の70%に当たる月28万円とすると、毎月約1万7000円不足します。
ただし、遺族基礎年金は子どもの成長によって終了し、実際の生活費も家庭によって異なります。遺族年金を計算しつつ、それだけで判断せず、生命保険や貯蓄、死亡退職金、住宅ローンの団信なども含めて、万一の場合の家計を確認しておくことが重要だといえるでしょう。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和8年度版)
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など