救急車のイメージ(画像:PIXTA)

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なんでもかんでも「救急車」呼ばないでください

 東京消防庁は2026年8月4日、公式SNSを更新。「何でも屋じゃありません。」という画像とともに、「お願い」と題した投稿を行いました。
 
 何があったのでしょうか。

 東京消防庁が投稿した、この「何でも屋じゃありません。」の画像には、青空の下をバックに救急車が写っています。そして、この言葉とともに、以下のように記載。

【画像】「ええぇぇ…」 これが本当にあった「トンデモ119番」と東京消防庁「“緊急”の呼びかけ」です 画像で見る(10枚)

「タクシーのように行きたい所へお連れできませんし、壊れた水道を直すこともできません。ただ、

 人の命を救いに行くことができます。

 それが私たち、救急です。」

 この投稿の背景には、救急隊の出動件数が爆増するなかで、不適切な119番通報が相次いでいる背景があります。

 東京消防庁によると2026年7月22日、救急出動件数は1日で3612件あり、統計を開始した1963年以降で過去最多を記録。しかも前日21日も過去最多を記録しており、2日連続で更新しているという状況です。

 もちろんこれは酷暑が続いたことや人口に占める高齢者の割合が増加傾向にあることなど、考えられる要因はさまざまですが、適切でない救急車の利用も相次いでいるようです。

 実際に2024年中に受け付けた119番通報のなかで、緊急性のない問い合わせや、消防に関係のないものが約2割含まれているといいます。

 東京消防庁の公式サイトでは、実際にあった不適切な救急要請の事例を掲載しています。

 例えば、「20代男性が、引っ越したばかりで土地勘がなく病院がわからない」、「20代女性が、スマートフォンを操作しながら歩いていたら、看板にぶつかった」、さらに「20代女性が、14時頃から翌3時頃まで友人と飲酒し、気持ち悪くなった」という要請もあるようです。

 1つ目のケースは、状況によってはパニックになることもあるかもしれませんが、わざわざ119番通報しなくても、スマートフォンなどで検索したり、道端の人に病院の場所を聞いたり、最悪タクシーを呼べば済む話です。

 2つ目のケースも、歩行中にスマートフォンさえ使っていなければ、そもそもケガしないで済みますし、救急箱を開いて絆創膏を貼っつけたり、歩いてその辺の救急病院に行けばいいだけのことです。

 3つ目のケースも、お酒に対する自分の適量さえ知っていればここまで酔わなかったことでしょう。

 しかし、こうした利用者でも、救急要請があれば救急車を向かわせざるを得ないのが実情で、救急車は常にフル稼働し、ひっ迫している状況が続いています。

 特に夏場は連日35度を超える暑さを記録し、熱中症患者が急増するほかに、事故による明らかに重症な外傷や、脳梗塞、心筋梗塞などの命に関わる重篤な病気が疑われる症状が出現している「本当に救急車が必要な状態の人」からの通報もあります。

 緊急ではない人からの通報で救急車がすべて出払ってしまうと、本当に救急車が必要な危険な状態の人に行き渡らず、助かるはずの命を落とすことにもなります。

 東京消防庁は投稿で、「『今日は楽しかったね』で終わる一日になりますように。

 楽しい時間が救急車を呼ぶ出来事にならないよう、お酒を飲む前に・遊びに行く前に、少しだけ考えてみてください。

 救急車の出場が急増しています。限りある救急車。適時・適切な利用へのご理解をお願いします。」と、呼びかけています。

※ ※ ※

 なお、東京消防庁では、「救急車ひっ迫アラート」を公式サイト上で公開しています。緑、黄色、赤の3段階で救急車のひっ迫状況がわかるようになっています。

 もし救急車を呼ぶべきか迷ったら、「#7119」の「救急相談センター」に電話することで、24時間・年中無休で医師、看護師、救急隊経験者等の職員が相談窓口となって対応しています。

 いっぽう、呼びかけても反応がないなどの意識の障害やけいれん、けがやヤケドなどの外傷のほか、顔の半分がしびれる、突然の激しい頭痛・胸痛、大量の吐血や下血など、「ためらわず救急車を呼んでほしい症状」を公式サイトで公開。こうしたケースでは、速やかに119番に連絡するように案内しています。

 ちなみに、今回SNS東京消防庁が公開した「何でも屋じゃありません。」の画像は、2025年に武蔵野美術大学 造形学部視覚伝達デザイン学科の青木 星海さんが制作。

 公募で募集され、最優秀作品に選ばれたもので、SNSのほかに公式サイトでも公開しています。