「ヴィヴァント」と誤読されがち(トは不要)な堺主演のVIVANT、蒼井主演の「てぃーかわ」(Tシャツが乾くまで)が絶好調!

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 今夏のドラマはTBSの“2強”となりつつある。金曜ドラマ「Tシャツが乾くまで」(金曜午後10時)と日曜劇場VIVANT」(日曜午後9時)だ。タイプのまったく異なる2作だが、ある共通点があるという。

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「両作品とも予想以上に強かった。どちらもあざとい仕掛けだらけで辟易しかけますが、それでも結局、見続けてしまうのは作品の力でしょうか」

 そう話すのは民放プロデューサーだ。「Tシャツが乾くまで」の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)は初回6.9%、第2話6.2%だったが、その後は6.8%、7.0%、7.5%と上昇している。

「ヴィヴァント」と誤読されがち(トは不要)な堺主演のVIVANT、蒼井主演の「てぃーかわ」(Tシャツが乾くまで)が絶好調!

「蒼井優、中島歩、松山ケンイチ、夏帆と実力派が揃い、脚本は『silent』(フジテレビ)の生方美久。なかでも8月7日放送の第5話は見ごたえがありました」

 第5話では、蒼井演じる咲子が失踪中の夫・充(松山)と電話で話すシーンを約8分の長回しで見せた。

「『silent』でも川口春奈と鈴鹿央士の別れを電話の長回しで描き話題になりました。切なくて苦しい恋心を書かせたら生方さんは抜群。それを当代一の名優・蒼井優が桁違いの演技力で演じきりました」

松ケンがふざける

 第5話の注目ポイントはそこで終わらない。ラストシーンで咲子がピザの宅配だと思って玄関を開けると、そこには失踪していた充が立っていた。

「衝撃の『ただいま』に、SNSは『どの口が言う』『帰れ!』と大荒れ。でも、あそこで終わられたら次回も見るしかないでしょう」

 充を演じた松山本人もXの表示名を一時「帰宅山ケンイチ」に変更、充への「応援(お叱り)メッセージ」を募った。

「本編で視聴者を揺さぶって放送後は出演者がSNSで盛り上げる。翌週まで話題を切らしません」

 さらにSNSでは、タイトルを「T乾」「Tかわ」「てぃーかわ」と略す人も現れた。

「てぃーかわの音が、フジテレビが映画を主幹する『ちいかわ』を連想させます。もちろん偶然でしょうが、『silent』で生方さんを世に出したのも同局。今度は『ちいかわ』みたいな略称まで広まるとはフジテレビに同情を禁じえません」

VIVANT」もやりたい放題

 一方、7月26日にシーズン2が始まった「VIVANT」は初回18.8%、第2話16.4%、第3話15.1%。下げてはいるものの、依然として圧倒的だ。

「『VIVANT』はさすがの強さ。初回18.8%は、現在の連ドラとしては異次元。こちらも仕掛けがものすごいです」

 9日に放送された第3話では、別班員の拉致事件を追う乃木(堺雅人)と行動を共にしてきた公安の野崎(阿部寛)が終盤、裏切り者として浮上する。

「SNS民は《嘘でしょ!?》《嫌だ嫌だ嫌だ》《ぎゃああああ》と、“松ケンただいま騒動”より盛り上がっていました。どちらも完全に気になる場面で終わっています」

 視聴者はまんまと次週を待つ形になった。また「VIVANT」の仕掛けはストーリーだけではない。第3話にはお笑いコンビ・錦鯉長谷川雅紀が「タイの警察官役」で予告なくサプライズ出演。第1話ではパリ五輪柔道女子48キロ級金メダリストの角田夏実が「空港のバルカ人役」で登場したほか、人気声優花江夏樹と鬼頭明里もニュースキャスター役で出演している。もちろんドラム(富栄ドラム)のスマホ音声は、シーズン1に引き続き林原めぐみが担当している。また第4話の予告にキーパーソンとされる宮下今日子が映ると、夫の八嶋智人までXで《で、で、出たぁ〜!!》と反応した。

「俳優が本業でない人物を起用してバズらせる、身内やSNSを利用するなど“やりたい放題作戦”ですね」

「調子に乗れる時は乗るべし」

 ただし「VIVANT」は、放送前に福澤監督のパワハラ問題でミソをつけた。TBSは撮影期間中に「パワーハラスメントに該当する言動」があったと認め、人事上の措置を行っている。

「それでも蓋を開ければ18.8%。もちろん数字が取れればパワハラが帳消しになるわけではありません。ただ、放送が始まるとドラマの話題が次々と出て、世間の関心が作品へ向かったのは確か。もちろんそんな宣伝戦術をとったわけではないでしょうが……」

 初回の視聴率からはやや右肩下がりの現在だが、この理由については「仕掛けや伏線が多すぎてついてゆけない、気が抜けないから」と分析する。

「TBSの絶好調の2ドラマですが『調子に乗りすぎると、しっぺ返しが来る』と言う人もいるでしょう。ただテレビ屋からすれば、調子に乗れる時は乗ったほうがいい。『Tシャツ』は1クール、『VIVANT』も2クールとはいえ年内には終わります。だったら勢いがあるうちに使えるものは全部使い、話題も作れるだけ作ればいい。テレビ黎明期から不変の法則です」

 あざとい、仕掛けすぎ、やりすぎ。そう言いながらも、視聴者は翌週もくぎ付けだ。

「一番怖いのは批判されることじゃなく、話題にされなくなること。『またTBSが……』と言われているうちが華。他局は悔しいでしょうが、今は指をくわえて見ているしかないですね」

デイリー新潮編集部