日本の10代シンガーソングライターの曲が韓国音源チャートのトップに…やっと国籍ではなく若者の好みで選ばれ始めたJ-POP

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大規模プロモーションなしに

K-POPガールズグループ「少女時代」のリーダーであり、メインボーカルとして日本でも高い知名度を誇るテヨンが、先日、意味深い記録を打ち立てた。韓国を代表する女性ボーカリストの一人である彼女が、日本の10代の天才シンガーソングライター・tuki.(ツキ)のヒット曲『晩餐歌』を韓国語でリメイクし、韓国最大の音源プラットフォーム「Melon」の『HOT100』で首位を獲得したのである。この出来事は、日本で生まれた音楽が現在の韓国ポップス市場においてどのように受け入れられているかを如実に示す、象徴的なシーンといえる。

アコースティックな雰囲気が強い『晩餐歌』の原曲は、YouTubeを中心に韓国の若者の間でも人気を集め、ILLIT(アイリット)のモカなど、人気K-POPアーティストたちによるSNSのチャレンジ動画を通じてさらに拡散した。特に、矛盾する愛の感情を食事に例えた詩的な歌詞は韓国のリスナーからも大きな共感を呼び、「韓国語で直接聴きたい」という声を生み出した。こうした大衆の熱い要望が、結果としてテヨンによる公式な韓国語リメイクの実現と、音源チャートでの首位獲得という快挙につながったのである。

このように、現在の韓国ではJ-POPが大規模なプロモーション活動を行わずとも、オンラインプラットフォームを通じて拡散し、主流音楽市場の一軸として定着する現象が続いている。その変化を象徴する出発点となったのが、2022年にリリースされたimase(イマセ)の『NIGHT DANCER』であった。

2022年8月に発売された同曲は、ショート動画プラットフォームを通じて日本を越え、韓国の若者世代の間でも瞬く間に拡散した。中毒性のあるメロディと誰でも簡単に真似できるリズムは、TikTokやYouTube Shortsで絶えず消費され、最終的にはStray Kids(ストレイキッズ)、IVE(アイヴ)、LE SSERAFIM(ル・セラフィム)といったグローバルな知名度を持つK-POPアーティストたちが自発的にダンスチャレンジに参加したことで、さらなる大爆発を巻き起こした。

ここで特に注目すべきは、この曲が従来の日本音楽ファンという枠組みを超え、韓国の一般大衆へまで浸透した点である。日本のアーティストの音楽が、現地での目立った活動や大規模なプロモーションなしに、韓国の大衆へと自然に浸透し得ることを証明した初の代表例となった。

若者世代の日常的なプレイリストの中に

『NIGHT DANCER』以降、韓国におけるJ-POPの消費スタイルにも明確な変化が現れた。かつて日本の音楽は、日本文化に関心を持つ一部のファン層や、特定ジャンルのマニアを中心に消費される傾向が強かった。しかし、それ以降のJ-POPは、ショート動画やストリーミングプラットフォームを通じて、韓国の若者世代の日常的なプレイリストの中に溶け込み始めている。

この変化は、実際の音楽消費データからも裏付けられている。韓国の主要音源プラットフォーム「Genie Music(ジニーミュージック)」の公式集計によると、2026年上半期における韓国国内のJ-POPジャンルのストリーミング利用量は、前年同期比で30%増加した。『NIGHT DANCER』が注目を集め始めた2022年当時と比較しても、J-POP全体への関心と消費規模は着実に拡大しており、日本音楽が一過性のブームに留まらず、韓国の音楽市場の中で一つの独立した消費領域を確立しつつあることを示している。

韓国国内におけるJ-POPの成長は、オンラインストリーミングの枠内に留まらない。ここ数年でJ-POPアーティストによる韓国公演の規模が拡大を続けており、韓国のファンが日本の音楽に対して「実際に費用を支払う(体験を買う)」リアルな市場もまた、力強く拡大している。

その代表的な事例が、シンガーソングライターの米津玄師である。彼は2025年3月、仁川(インチョン)のインスパイア・アリーナで初の単独来韓公演を開催し、2日間の全席を完売させた。かつて日本のアーティストによる韓国公演といえば、一部のマニア層を対象とした小規模なライブが中心であったが、今や1万席以上の大型アリーナを満員にできる独立した市場が形成されている。

その後も、日本音楽界を牽引する主要アーティストたちの来韓公演は相次いだ。2026年には、松田聖子がデビュー45周年を記念して来韓ステージを披露し、バンドのKing Gnuもオリンピック公園・KSPO DOME(旧体操競技場)公演を全席ソールドアウトさせ、韓国におけるファンダムの規模を見せつけた。さらに今年下半期にも、Official髭男dismをはじめ、back number、Vaundyなど、日本のトップアーティストたちの来韓公演が予定されている。 これは、韓国においてJ-POPが単にオンライン上で消費される音楽に留まらず、オフラインのライブ市場でも独自の営業力を持つ一大ジャンルへと成長していることを裏付けている。

中高年もまた

また、近年の韓国におけるJ-POP人気の底上げを象徴するのが、韓国の「中高年層による再発見」である。彼らはかつて、韓国国内で日本大衆文化が正式に開放される以前、正規の流通が制限されていた時代に、非公式なルートなどを通じて日本の音楽に触れていた世代だ。

こうした中高年層が、かつて耳にした昭和・平成のJ-POPと再会するきっかけを作ったのが放送メディアである。2024年に最高視聴率15.2%を記録したMBNの『韓日歌王戦』に代表される、両国の音楽交流番組のヒットがその呼び水となった。この世代の日本音楽の消費スタイルは、若い世代のそれとは性質が異なる。Z世代がショート動画やストリーミングプラットフォームを通じて新たな音楽を「発見」し、消費するのに対し、中高年層にとってのJ-POPは、かつての自身の青春と「再会」する体験に近い。過去には公に触れることが難しかった音楽が、再び大衆の前に登場したことで、一種の文化的再発見とノスタルジーの形で消費されているのである。

特有の情緒ある歌声で韓国の40〜50代を中心にファンを集めた歌心りえの人気は、こうした変化を象徴する好例だ。また、2026年6月27日には、韓国でも『ギンギラギンにさりげなく』で広く知られる近藤真彦が、デビュー47年目にして初となるソウル単独公演を開催し、1300席の全席を完売させた。すなわち、現在の韓国におけるJ-POPの消費スタイルは、特定の世代だけに依存していない。若い層には、K-POPとは異なる感性や叙情性を持つ音楽として受け入れられており、中高年層には、過去の記憶とつながる音楽として再び根づいている。

韓国で最初の「J-POPブーム」が巻き起こった2000年代初頭と現在との最大の決定的な違いは、その「消費環境」にある。

当時は、『雪の華』や『I Love You』などの韓国語カバー曲(翻案曲)がJ-POP人気の中心であり、多くの韓国人は日本語の原曲ではなく、韓国語版を通じて日本のメロディーに親しんでいた。そのため、J-POP受容は、翻案という媒介を前提とした間接的なものであった。

一方、現在ではYouTubeやSpotifyなどのデジタルプラットフォームの普及により、韓国のリスナーは日本語の原曲へ容易にアクセスできるようになった。その結果、「原曲のまま」消費されることが一般的となり、楽曲の魅力やアーティストの個性を直接評価できる環境が形成された。つまり、韓国のリスナーはもはや「日本の音楽だから」という理由ではなく、楽曲そのものの質や自らの嗜好に基づいて音楽を選択するようになったのである。

テヨンが歌う『晩餐歌』は、まさにこうした構造変化を象徴する一幕である。日本の10代のシンガーソングライターが紡ぎ出した楽曲が、韓国を代表するボーカリストのリメイクを経て音源チャートの頂点に立ったという事実は、韓国の音楽市場においてJ-POPが占める、変わりつつある位相(位置づけ)を証明する事例といえる。

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