愛子さま

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 夏の訪れを感じる6月。アメリカでは穏やかな「子育てライフ」を送る小室夫妻の姿が目撃された。一方、国会では皇族数確保のための皇室典範改正案が、6月30日に閣議決定された。政府は今月17日までの国会会期中に成立させようとしているのだが、世論の7割超が賛同する「女性天皇」の機運は遠のくばかり。さらに、このままでは愛子さまが「二級皇族」になりかねないというのだ。

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 1947年に現行の皇室典範が制定されて以降、実質的な改正はこれが初めてとなる。

 その改正案では、先だって政府が示した法案の要綱に沿う形で、(1)女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ(2)旧宮家出身の15歳以上の男系男子を養子として迎える、との2点が柱となる。(1)に関連し、女性皇族が一般国民と結婚する場合は皇室から離れるとする現行典範の第12条は削除されるのだが、その配偶者や子の身分については法案に明記されておらず、

「夫や子を皇族とするという規定は設けられていないため、そのまま一般人にとどまることになります。実際に閣議決定後、内閣官房『皇室典範改正準備室』の担当者は“(夫と子は)皇族とならない”と明言していたのです」

愛子さま

 とは、全国紙デスク。

「これまでの与野党協議でも夫と子の身分については意見の乖離(かいり)が大きく、『立法府の総意』をまとめた段階では詳細が詰められていませんでした。それが今回、保守派が主張してきた『夫や子を皇族にすれば先々、女性・女系天皇容認に道を開くことになりかねない』といった主張が反映された格好になりました。将来的にもそれらを封じ込めようという政府の意図があらわになったといえます」(同)

さまざまな不都合が

 改正案では、結婚後の女性皇族は皇室の戸籍にあたる「皇統譜」に登録されたまま住民基本台帳法の適用を受けるとされている。つまり自治体に住民登録され、形式上は一般市民のようになりながら、夫や子とは一緒の戸籍には入れないというわけだ。

「政府は、夫や子と共に女性皇族も住民票に記載されることについて、携帯電話の家族割引や住宅ローンの申し込みの際にも役立つなどと説明しています。一方で、国民投票の投票人名簿からは除外され、もちろん参政権なども、引き続き有しません」(前出のデスク)

 そんな制度設計のもと、仮に愛子さまが一般人と結婚され、かつ皇室に残られる選択をなさった場合、お住まいをはじめ警備や配偶者の権利制限など、様々な不都合が生じかねない。その懸念について皇室制度に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉教授はこう言うのだ。

「従来の女性皇族は、黒田清子さんのように都内のマンションに住むなど、結婚後はお好きな場所に暮らし、一般人としての権利を得ていました。それが今後は、赤坂御用地に住まわれながら住民基本台帳には記載されるなど、中途半端に一般人としての扱いを受けることになってしまう。愛子さまは、陛下や他の皇族方とは異なる『二級皇族』のような“宙ぶらりん”のお立場を強いられてしまうのではないでしょうか」

女性皇族への敬意を欠いている

 一方で、ご公務は引き続き担われていくため、

「“ご公務をこなしていただければそれで結構”といった、まるで『公務要員』であるかのように見なされる恐れもあります。こうした措置は、女性皇族への敬意を欠いていると言わざるを得ません」(河西氏)

 象徴天皇制に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授も、

「皇族というのは公務員ではありません。そのご公務は国民統合の象徴として国民と触れ合い、励ますためになさっているものであり、単なる仕事としての公務ではないのです。今回の改正案では、女性皇族を『女性公務員』にしてしまうような制度設計が見込まれます。あたかも芸能人のように皇族の名声だけを利用するといった手法は、いかがなものでしょうか」

「悲劇のヒロイン」に……

 また、前述した(2)の「養子」についても、少なからず懸念が生じているという。

 政府は今回、「立法府の総意」では触れられていなかった安定的な皇位継承策について、「養子のもとに生まれた男子は皇位継承資格を持つ」旨を改正案に盛り込んだ。これが野党から「だまし討ち」などと批判を受けたのだが、宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司氏は、

「養子に入った人の身分は『王』です。現行法では15歳以上の『王』『内親王』『女王』は、本人の意思があり皇室会議で認められれば皇籍から離脱できることになっています。ところが改正案では、この養子は対象から除外されることになっている。皇室に入ってしまうと、出たいと言っても出られません」

 これには先の河西氏も、

「王であるにもかかわらず、皇室から離れられない皇太子のような扱いになっています。つまり養子で入ってくる男系男子は、既存の王よりも身分が上の存在であるということで、養子本人の意思によらず後戻りできない仕組みにしてしまっている。極端な例ですが、その養子に関し、以前の小室圭さんのようにネガティブな話題が報じられたとしても離脱できないのです」

 そして、こう言うのだ。

「国民から、『そのような養子より愛子さまの方がいい』といった声が上がったところで、はねつけられる制度になっています。なぜなら、『皇太子に準じる養子の方が内親王より身分が高い』ためです。『住民基本台帳に載っている愛子さまは一般人に準じた扱い。だから天皇にはなれません』と言われれば、覆すことは難しいでしょう」

 愛子さまの置かれるお立場は難しくなるといい、さる皇室ジャーナリストも、

「ご結婚後、いびつな生活を余儀なくされる愛子さまを『悲劇のヒロイン』と捉える世論が高まっていくことも考えられます。そこから国民の分断が深まれば、天皇が国民統合の象徴ではなくなってしまいます」

 そう危惧する。

皇統が移ってしまう可能性

 加えて、先の小田部氏も、

「将来、悠仁さまが男子を授からなかった場合、その時点で女性天皇が容認されないままであれば、先々の皇統は現在の皇室から約600年前に分かれた養子の系統へと移ってしまう可能性があります。現在の皇室が『全く別の皇室』によって取って代わられた時、はたして国民の理解や敬愛を得られるのでしょうか」

 それは陛下がモットーとされている「国民と苦楽を共にする皇室」の断絶に他ならない。

 京都産業大学の所功名誉教授(皇室制度史)が言う。

「皇族身分の女性と一般国民の夫や子が同居して活動することは困難です。夫も子も皇族にしてこそ、皇族数を確保し拡大することが可能になります。男系男子原理主義に固執して皇族女子を一代限りで終わらせるような制度は、早晩破綻を来すと思います」

「週刊新潮」2026年7月16日号 掲載