治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「【史上初】「検察なめんなよ!」机を叩き、恫喝した特捜検事を裁く「付審判」初公判:元刑事が解説」を公開した。動画では、大阪地検特捜部の元検事が取り調べ中に威圧的な言動を行ったとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われている異例の初公判について、元刑事の視点からその背景や問題の核心を解説している。

小比類巻氏はまず、事件の発端となったプレサンスコーポレーション元社長の業務上横領事件について説明。元社長の関与を裏付けるため、田渕大輔元検事が元部下に対し「検察なめんなよ。大罪人だ」と机を叩いて大声で追及する様子が録音・録画されていた事実を指摘した。しかし、検察側はこの元検事を不起訴処分にしたという。

これに対し、被害者側が裁判所に「付審判請求」を行い、極めて異例ながら起訴相当と判断されたと同氏は解説する。付審判請求について「公務員による職権乱用など一部の犯罪については、検察が起訴しなかった場合でも、裁判所に『刑事裁判にかけてほしい』と求めることができる」と制度の仕組みを丁寧に紐解いた。

さらに、刑法第195条の特別公務員暴行陵虐罪に触れ、「相手に手を出さなくても、精神的な苦痛を与える行為があれば成立する可能性がある」と指摘。取り調べの可視化が導入された背景として、過去の証拠改ざん事件などを挙げつつ、録音録画されている状況下でなぜあのような取り調べが行われたのか、その異常性を強調した。

最後に小比類巻氏は、今回の裁判で最も問われるべき点について「これが田渕検事1人の問題なのか、それとも特捜部という組織や取り調べ文化の問題なのか」と強く問題提起。密室で行われてきた捜査のあり方が問われる歴史的な裁判に対し、今後の司法の判断に強い関心を示して動画を締めくくった。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。