飲み会の前には「健康のためにお酒を控えめにしよう」と決心していても、場の雰囲気に流されて2杯、3杯と酒量が増えてしまうのはよくあることです。そんな中、欧米ではアルコール入りのお酒とノンアルコールのソフトドリンクを交互に飲む「zebra striping(ゼブラ飲み)」が、健康志向の人々の間で流行しています。果たしてゼブラ飲みが二日酔いの悪影響を軽減するのかどうかについて、イギリスのリバプール・ジョン・ムーア大学で精神薬理学教授を務めるキャシー・モンゴメリー氏らが解説しました。

How ‘zebra striping’ on a night out can help you drink less - and potentially avoid a hangover

https://theconversation.com/how-zebra-striping-on-a-night-out-can-help-you-drink-less-and-potentially-avoid-a-hangover-282407

ゼブラ飲みは「ワイン1杯またはビール1杯を飲んだら、次のアルコール入り飲料を飲む前にソフトドリンクか水を飲む」というもので、飲み会やパーティーにおけるアルコールの悪影響を軽減できるとされています。この方法はイギリスで特に人気だそうで、2025年の市場調査ではイギリス人の34%がゼブラ飲みを試したことがあると回答しています。

そもそも人体のアルコール代謝速度はほぼ一定であり、1時間あたりおよそ8g(ワイン小グラス1杯、蒸留酒のショット1杯、ビール約200ml)のアルコールを代謝できるとのこと。平均程度のアルコール代謝が可能な人の場合、これよりも速いペースで飲酒すると血中アルコール濃度が高くなって酩酊(めいてい)状態となり、身体への生理的ストレスも増大します。

短時間で大量の飲酒をすると計画性や意思決定能力の低下、けがに至るまでさまざまな害が及ぶ可能性があります。過度の飲酒パターンは記憶障害とも関連しており、飲み過ぎる傾向がある人々では自制心や言語の流暢性、注意の切り替え能力が低下していることが示されています。

ゼブラ飲みはアルコール飲料の合間にノンアルコール飲料を挟むことで、全体的なアルコール摂取量を抑える効果があります。これによって血中アルコール濃度のピーク値が下がり、アルコールがもたらす長期的および短期的な害を軽減できると考えられるそうです。



ゼブラ飲みの利点として挙げられるもう1つの利点には、「小まめにノンアルコール飲料で水分補給することで、翌日の二日酔いを防ぐことができる」というものがあります。アルコールには利尿作用があり、これによって排尿回数が増えると脱水症状や電解質バランスの変化が生じることで、二日酔いの症状である頭痛や吐き気などが現れるとされています。

飲み会などの場でアルコール飲料とソフトドリンクを交互に飲めば、飲酒による脱水症状がある程度軽減され、これによって二日酔いによる症状を回避できる可能性があります。しかし、脱水症状と二日酔いは必ずしも同じものではなく、水分バランスを整えるだけでは二日酔いを完全に防ぐことはできないとのこと。

また、二日酔いのメカニズムは複雑であり、完全に解明されているわけではありません。二日酔いは脱水症状だけでなく、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドの蓄積・身体の炎症・睡眠障害・免疫反応の変化など、複数の要因が複合的に作用して引き起こされると考えられています。

ソフトドリンクの選択も重要であり、炭酸飲料は胃の内圧を高めてアルコールを小腸へ押し込むため、血中アルコール濃度をより速く上昇させるとのこと。そのため、ゼブラ飲みのソフトドリンクにコーラや炭酸水などを選んだ場合、全体のアルコール摂取量は変わらなくても、酔うまでの時間が短くなる可能性があるそうです。



モンゴメリー氏らは、ゼブラ飲みをしても二日酔いを引き起こす生物学的メカニズムに抵抗することはできないものの、全体的なアルコール摂取量が減りさえすれば二日酔いの症状を軽減できると指摘。「ペースを落としてアルコール飲料を飲む間隔を空けることで、結果的に飲酒量が減るかもしれません。しかし、夜遊びの時間を長くしたりより強いお酒を飲んだりしてゼブラ飲みの効果を相殺してしまうと、そのメリットはすぐに消えてしまいます」とアドバイスしました。