「詰め込む食事」が野球少年に及ぼす悪影響 “苦痛”から解放…無理なく体を作る解決策
強豪校も実践する食事の知恵「こまめに、ちょこちょこ」
大会シーズンが近づくと、子どもの体づくりが気になり始める保護者も多いのではないでしょうか。「他の子と比べると小柄かも……」「もっと食べさせないと」と焦る日々は、保護者にも子どもにも大きなプレッシャーになりがちです。今回は、無理なく栄養を摂取し、タフな選手に育てるための食事のコツについて考えます。First-Pitchのポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」より、スポーツライター・編集者の樫本ゆきさんが取材した、横浜高校野球部の元寮母で管理栄養士、渡邊元美さんによる食事の知恵を伝授してもらいました。
学童野球の世界では、体を大きくするために「1食で米◯合」といった高い目標が掲げられることがあります。しかし、成長期の子どもは消化器官が未熟で、一度に大量の食事を取ることで内臓に大きな負担をかけてしまうことも……。無理に胃に詰め込もうとすると、食べる行為そのものが苦痛になり、食事の時間がストレスに変わってしまう危険性もあります。
そこで注目したいのが、楽天・渡邊佳明内野手の母でもある・元美さんのアドバイス「こまめに、ちょこちょこ食べる」スタイルです。トップアスリートの多くが取り入れており、空腹を感じる前に少しずつ栄養を補うことで、効率的にエネルギーを蓄積できます。高価なプロテインやサプリメントを継続的に購入し続けるのは経済的にも大変ですが、「おにぎり」を補食にすることが、なんだかんだ言っても“最強”といえるようです。
無理なく食べられる工夫…最も大切なサイズ感
おにぎりを補食として活用する際、最も大切なのはサイズ感です。強豪校の選手が実践するのは「2口ほどで食べられる小さなサイズ」。1個あたり80から100グラム程度の小ぶりなおにぎりを複数用意し、授業の合間や練習の休憩時間にパクっと口に放り込む習慣づけがおすすめです。これなら食が細い子どもでも心理的なハードルが低くなり、適切な栄養を摂ることができます。
おにぎりの具材をアレンジすることも、飽きさせないための重要なポイントです。定番の鮭や昆布だけでなく、カレー味や和風だし、時にはケチャップによるオムライス味など、違う味を楽しめるように工夫するのも手です。見た目が華やかであれば、子どもの食欲も自然と湧いてくるもの。冷めても美味しく、手軽に持ち運べるおにぎりは、忙しい毎日を支える保護者にとっても心強い味方といえるでしょう。
最後に樫本さんはこう伝えます。「大切なのは、食事もノルマとして捉えるのではなく、家族のコミュニケーションの軸として大切にすること」。食べることも、進路選びも、まずは家族でよく話し合い、本人の意思を尊重した上で正解を見つけていく姿勢が、結果として子どもの健やかな成長につながります。保護者は、無理に食べさせるという意識を捨て、「体づくりは、家族ぐるみのチーム戦」という気持ちで、親子で楽しみながら野球のある生活を送ってみてはいかがでしょうか。(First-Pitch編集部)
