45歳・田臥勇太選手と37歳・渡邉裕規選手が語る「宇都宮ブレックス」。Bリーグ初年度の印象的な出来事とは
日本の男子プロバスケットボールのトップリーグ「Bリーグ」で最多優勝を果たした「宇都宮ブレックス」。その強さの基盤を、キャプテンとバイスキャプテンを務める、#0 田臥勇太選手(45歳)と#13 渡邉裕規選手(37歳)にお聞きしました。
※ この記事は『宇都宮ブレックスwith BREX NATION 2025-26』(扶桑社刊)に掲載された内容を抜粋・再編集しています

Bリーグ最多優勝記録を達成できた理由
――昨シーズンはBリーグ最多となる3度目の優勝を達成。永眠されたケビン・ブラスウェルHCのために、チームがひとつになってつかみ取った優勝でした。日本一になり、どのような思いがありましたか?
田臥:うれしかったです。いろいろなことを乗り越えてきたシーズンだったので、最後に優勝につなげられたのは本当によかった。「ケビンのためにも優勝できてうれしい」その思いだけですね。
渡邉:本当に悲しいこともあったし、悔しい敗戦もたくさんあったし、僕自身はシーズン途中にケガもありました。チーム状況的に優勝を目指せるような状態ではなく、バラバラになってしまうような時期もありました。それを乗り越えて優勝をつかみ取れたことは、1人1人が「優勝する」ことに気持ちをもっていけたことが大きいと思います。ファンの方も含めた結束力が優勝の要因ですね。
「BREX MENTALITY」を体現する2人のリーダー

――キャプテンとバイスキャプテンの2人。お互いどんな存在として支え合っているのでしょうか。
田臥:ナベは上と下の選手をつないでくれる存在ですね。ナベがことあるごとに、チームが勝っていようが、負けていようが、チームの危機感というものに反応してくれて、「ここは2人でしゃべった方がいいですよね」とか「ここはギャビン(エドワーズ)にしゃべってもらおう」とか、「ここはコーチと選手をつなごう」とか、常にアイデアを出してくれる。
昔からそうなんですけど、常にチームのことを考えてくれるので頼りにしています。
渡邉:僕は田臥さんと長いこと一緒にやってますけど、たとえば、ルーズボールを追ったり、最後まで諦めないプレーというのは、僕がブレックスに入ったときに田臥さんが見せてくれたんですよ。田臥さんがブレックスでいちばん最初にやったんです。たとえ、それが華やかなプレーじゃないとしても、田臥さんのワンプレーが勝利に結びついた試合を何度も見てきたので。
そういう、田臥さんのブレない姿を僕や遠藤のような古株が引き継いで、若い選手や新しい選手に浸透させ、「このチームでどれだけ勝ちたいか」という思いを植えつけてきました。
ブレックスはそうやって築き上げてきたチームなので、田臥さんが見せてくれた「諦めない姿勢」はこれからも大事にしていきたいですね。
田臥:僕たちブレックスの選手たちって、普段の生活リズムやスタイルが全然違うんです。まったく違うけど、大事なところで「僕、必要ですよね」「こういうことですよね」「僕がやらないと」みたいな意識が、選手間で共有できている。
そういう信頼や尊重ができるメンバーがいることがうれしいし、それがブレックスの素晴らしいところ。そういうチームでありたいと僕は思い続けています。
その中で、チームの些細な出来事や雰囲気をそれぞれが日々感じて、それを共有し合って、ナベがどんどん若い選手や新しく入ってきた選手たちに伝えてくれるから、チームがつながってうまくいっていますね。
渡邉:まあ、田臥さんが言いたいことを僕が親鳥みたいにエサを取ってきて、咀嚼(そしゃく)してしゃべっている感じですかね(笑)。
――長く一緒にいて、印象に残っている出来事などはありますか?
田臥:やっぱりナベが辞めるって言ったときはびっくりしたけど、戻ってくるってなったときはうれしかったですね。周りに聞けばわかるけど、僕がどれだけ喜んだか!
渡邉:Bリーグ初年度のファイナルの前日に辞めるって伝えたんですよ。戻る報告を電話でしたとき、怒られるかなと思ったけど、「戻ってきなよ!」って。
田臥:それがあったから、今のありがたみも感じられるんじゃないかな。
