親なら一度は頭を悩ませる「子どもの習い事」問題。なかでも、子どもから「やってみたい」と言われた習い事に親が賛同できない、というケースは多いのではないでしょうか。今回、多数の教育機関と連携しながら子どもの未来のサポートと研究を行っている「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」に、子どもの習い事に対する親の向き合い方について、詳しく教えてもらいました。

※ この記事は『自立した子どもになるための やらない子育て』(扶桑社刊)より一部を抜粋し、再編集しています。

向いていなくても「まずは体験してみる」

仲のよい友達やきょうだいの習い事に、子どもが興味を持つことはよくあることです。親しい人が楽しそうに取り組む姿を目にすれば、「自分もやってみたい!」と意欲をもつのは自然なことでしょう。

親から見て、その習い事が「子どもに向いていないかも」と感じたとしても、まずは体験してみることが大切です。

なぜなら、子どもの内側からわき上がる「やりたい!」という衝動や好奇心は、親がいくらきっかけを与えてもつくり出すことができないから。今、このチャンスを逃せば、「やりたい!」と思えるものがしばらく見つからない可能性もあるのです。

また、きょうだい間の場合、チャンスの格差が生じてしまうと、経験を得られなかった子どもは、「自分だけ不平等に扱われた」とくやしい思いを抱く可能性も。

「お金や時間がかかる…」と必要な手間が頭をよぎりますが、腹をくくって、子どもの意欲を喜び、全力で応援してみませんか。

やりたいことが多すぎる場合は、親が手助けを

とはいえ、塾に部活に習い事にとやりたいことが多すぎる場合は、親も子どもも疲弊することに。

子どもの意欲は尊く大事にしたいものですが、同様に子どもの生活や心の状態を健全に保つことも親の役割。たとえ子どもが「全部やりたい!」と言っても、あきらかにパンクしそうな状態が目に見えているのであれば、助言してあげましょう。

ある中学生のお子さんは、クラシックバレエを週2回習いながら、全国コンクールに出場するほどの厳しい練習を行う強豪吹奏楽部にも所属していました。すでに目のまわる忙しさのなか、本人はさらにバレエの上級クラスも受講したいと熱望。親は彼女のやる気を尊重したいと思いつつ、それでは体がもたないと伝えたそうです。

結局、1年ほど両立を試行錯誤したのち、バレエのクラスを増やすかわりに部活を1年間休む、と本人が決めました。吹奏楽部の顧問に直訴した際は、休部中でも一部の行事では部への参加が認められ、とても喜んでいたと聞いています。

●「やりたい気持ち」があるからこその強さ

こういった行動を子どもがみずから起こしたのも、「やりたい!」とたぎる熱意があったから。

だからこそ、自分で優先順位を考え、最善策を導き出し、先生に交渉したのだと思います。そのくらい子どもの「やりたい!」は、尊くて力強い。

もちろん、幼児や小学生の場合は自分の気持ちをうまく言えなかったり、その術を知らなかったりするでしょうから、そこは親がくみ取りましょう。子どもの意欲と心身の健全、その両方をかなえられる方法を、親が率先してあみ出してください。