ジビッツ2.7億ドル クロックス が進める「迷わせない」パーソナライズ

記事のポイント
クロックスは全行程でパーソナライズ化を進め、顧客が欲しい商品に最短で到達できる体験を重視している。
年間2億7000万ドル売れるジビッツが、遊び心と選びやすさを両立する商品起点のパーソナライズ施策として機能している。
ベンダー活用や実験的取り組みを通じて効率と顧客価値を高め、CVRやAOVなど主要指標の改善を図っている。
「パーソナライゼーション」とは、マーケティングメールのことだけを指すのではない。それは、プロダクトデザインの段階から店頭での販売、購入後のフォローに至るまで行えるプロセスである。
クロックスは商品のパーソナライズという概念を多くのブランドよりもさらに推し進めており、特にクロックスのラバーアッパーを装飾するために1個ずつ販売されているジビッツ(小さなピン)や飾りを通じて実現している。
このジビッツは、クロックスのビジネスにおいて重要な存在になっている。2024年、ジビッツ単体の売上は2億7000万ドル(約4050億円)を超え、クロックスの総売上の約8%を占めた。
Glossyとその姉妹媒体であるModern Retailが共同開催したオンラインイベント「The Future of Commerce」に登壇したパピッチ氏は、ファッション、ビューティー、消費財分野のほかの小売エグゼクティブたちとともに、クロックスがどのようにパーソナライゼーションを事業のあらゆる段階に統合しているか、そしてジビッツがブランド全体のコマース戦略にどのように関わっているかについて語った。
以下は、Modern Retailのエグゼクティブエディターであるアンナ・ヘンセルとの対話のハイライトである。
クロックスのパーソナライゼーション哲学
「パーソナライゼーションというバズワードに吸い込まれてしまうのは簡単だ。これらすべての概念は、フリクションを取り除くことに集約される。一番の目標は、顧客が求めているものを、できるだけ速く提供することだ。
我々はジビッツを含む商品ラインの観点から、顧客セグメンテーションやパーソナライズされたマーケティングまで考えている。SMSやメール、さらには人々がソーシャルチャネルで目にするコンテンツまでパーソナライズ化しようとしている。
要素は多いが、本質は『欲しいものにたどり着くまでの難しさを軽減すること』に尽きる」。
ジビッツ効果
「我々はジビッツで多くのエンゲージメントを得ている。これはプロダクトとしてのパーソナライゼーションだ。遊び心があり、ブランドとしての我々のアイデンティティの重要な一部になっている。現在、模倣品も多く存在している。
我々は、ジビッツがあらかじめ付いたバッグやシューズをオンラインでどのように展開できるかにも取り組んでいる。これももうひとつのパーソナライゼーションの形だ。
カタログページからルックそのものを購入でき、800種類のジビッツから一つひとつ探してカートに入れる必要はない。インスピレーションを得たら、そのままルックを買えばいい。学ぶべきことは常にある」。
テックベンダーとサードパーティパートナーとの協業
「多くの場合、我々は単にそのサードパーティのユースケースと、我々のチームにもたらす価値を理解しようとしている。我々には多くをもたらしてくれる強力なベンダーパートナーがいる。
新しいベンダーと話すときには、適切なステークホルダーがその場にいるようにしている。そうすることで、実際に役立つのかどうかを判断してもらえるからだ。それが我々に効率を生むのか? 顧客に価値をもたらすのか? すでに取引しているベンダーをプッシュすることもできる。
『こういうユースケースがあるのだが、それに対応するものはあるか?』と聞くのだ。
我々は常にベンダーに『あなたたちが向かう方向に興味がある』と伝えている。実験に対して食欲があることを示す必要がある。そしてときには、新しいことを無料で試せて、その成果を確認できる場合もある」。
ブランドが優先すべき指標
「我々はコンバージョン率に取り憑かれている。ほかにも、カート投入率、平均注文額などがある。自然な目標は、消費者のバスケットにより多くの商品を入れてもらうことだ。
これらは常に副次的な指標だが、最終的には、消費者が何かを見てコンバートしているなら、我々は仕事を正しく遂行しているということだ」。
[原文:How Crocs is prioritizing personalization across strategies]
Danny Parisi(翻訳、編集:藏西隆介)
