キム・イェジ(ロイター)

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 パリ五輪射撃女子10メートルエアピストルで銀メダルを獲得し、そのカッコよさで世界的な話題となったキム・イェジ(韓国)が、競技生活の一時中断を発表し物議を醸している。

 キムは五輪期間中に米実業家のイーロン・マスク氏が注目し話題に。五輪後は競技の一方で高級ブランドの広告に出演したり、暗殺者役で映画に出演するなど幅広く活動してきた。

 しかし韓国メディア「CBSノーカットニュース」によると、キムは所属事務所を通じて「五輪メダリストとしての旅程をしばらく止めて、しばらく子供との時間を重要視する」と当面母親業に専念すると発表。出場を予定していた大会をキャンセルし「今回の休息は射撃選手としてさらに発展するための過程と考えてほしい。復帰時期はまだ決まっていないが、できるだけ早く復帰できるよう最善を尽くす」と引退ではなく、選手として復帰する意志を強調した。

 一方で同メディアの取材に対し、所属事務所関係者は「キムが選手生活中断を決めたのは必ずしも育児のためだけではなかった。悪質コメントが主な要因だった。悪質コメントでとても苦しがり、休息期が必要だと判断したようだ」と誹謗中傷に苦しんだ結果と明かした。

 コメントの中には「銀メダリストなのになぜ金メダリストよりスポットライトを浴びるのか」や「カネを貸してくれ」などというものも。同メディアによると、関係者が繊細なキムに「ダイレクトメッセージに返信するな」と注意したこともあったという。またキムは射撃が注目されることを目的に競技外の活動を行ってきたが、その意図を理解してもらえず批判されたことで傷ついたという。

 再び競技で活躍する姿を見たいものだ。