Image: Apple

iPadユーザーなら使用している人も多いだろうApple Pencil。Appleで揃えている、このデザインが好きという人はさておき、純正ならではの機能が目当てで使っている人も少なくないはず。一部のiPadとApple Pencilで利用できる、ペン先がディスプレイに触れる前にツールの正確な向きを見ることができるホバー機能はその1つ。

でも、もしサードパーティ製のスタイラスペンでもホバー機能が使えるようになったら?

EUがAppleにiPad OS開放を求める

ヨーロッパ連合(EU)は、公正なデジタル市場を目的としたデジタル市場法(DMA)の下、iPadOSの機能の公平性を訴えています。この公平性に含まれるのは、ユーザーが好きなウェブブラウザをデフォルトに設定できることや、ヘッドフォンやスタイラスペンを含む周辺機器がiPadOSが可能にするすべての機能にアクセスできることなど。

つまり、Apple Pencilだけで使えているホバー機能を、サードパーティ製のペンでも使えるようにすべきだということです。

消費者の選択肢と製品の差別化

iPadOS機能の開放は、消費者にとっては選択肢の増加を意味します。機能は開放されているわけですから、それを取り入れるかどうかは企業次第。ホバー機能をのせないペンは、のせられないのではなくのせない選択をしたことになります。そうした企業の選択肢でできた製品の中から、消費者は自分に必要なものを手の届く価格内で選ぶことができます。

Apple以外の企業にとっては製品仕様の選択肢増加になりますが、これはAppleにとっては強みを失うことと同じ。メイン製品とそのOS、さらに周辺機器まで包括的に開発するからこそ持てる強みを手放すことになります。自社製品の差別化や個性をアピールする手段が減ります。

EUはこれまでも、多くのテック企業にデジタル市場法や独占禁止法を理由に物申してきました。世界中の消費者が影響をうけた、Apple製品のUSB-Cポート化はその中で最も大きなものだといえます。

EUとAppleがどう決着をつけるのか。それ次第では、Appleが今までとは異なる製品の差別化を求められることになります。

Source: Notebook

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