激戦の米大統領選、トランプ復活かハリスの逆襲か…どっちにしても「日本企業」に襲い掛かる「増税」のヤバすぎる真実

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ハリスなら上昇、トランプなら暴落も…!

アメリカ大統領選の投票日が11月5日に迫っているが、米国経済の大きな分岐点となるので注意が必要だ。

8月初旬から上昇トレンドを保っているNYダウだが、アメリカ株はトランプかハリスかによって、大きくその行方を変えるだろう。

結論を先に示しておくと、アメリカ株はトランプが再選すれば凶と出て、ハリスが当選すれば、吉と出る。トランプならばNYダウは暴落する可能性も秘めており、ハリスならば緩やかな上昇が期待できるというのが筆者の見方だ。

目下、トランプもハリスも決め手を欠いており、激戦は必至だ。

今回は、それぞれの政策から米国株の行方を中心に今後の経済状況を占って行こう。

在米日本企業がむかえる「試練の時」

民主・共和両党の政策綱領から、両候補が大統領選で打ち出している経済面で影響の大きい政策を抜き出してみよう。

まずは、ハリスからだ。

ハリスの政策の根幹は、低所得者層の底上げと中間層の活性化にある。

そのための政策として、最低賃金を時給15ドルに引き上げる方針を打ち出している。

さらに、前トランプ政権が導入し2025年に期限を迎える個人所得税の減税などのいわゆる「トランプ減税」については、年収40万ドル未満の世帯について継続するとしている。あわせて、子ども支援金の拡充や低所得者層の住宅購入に対する税控除などもあげている。

一方で、富裕層に対しては最低25%の所得税を課し、キャピタルゲイン課税の税率を現在の20%から28%へ引き上げることを提示している。つまり、富裕層には厳しく、低所得者から中間層を支援するというのが、ハリスの基本姿勢だ。

企業に対しては、法人税率も21%から28%に引き上げる方針を打ち出している。よって、企業にとってはコスト増となることは必至だ。

ただし、在米の日本企業にとっては、トランプ再選でもコスト増は避けられない。輸入関税が強化されるためで、どちらにしてもコストアップによって苦しい経営を強いられることとなる。

ちなみに東京商工リサーチにの調査によれば、日本の国内企業5185社のうち43.5%がハリスを支持、トランプ支持は15%に留まったという。重関税のトランプより法人増税のハリスの方が、日本経済にとってはまだましだということなのかもしれない。

ハリスなら「株価はゆるやかに上昇」

ハリスに話題をもどそう。彼女の特徴的な政策は、エネルギーである。太陽光発電、風力発電、地熱発電プロジェクトの拡大などのクリーンエネルギーの推進を掲げる一方で、石油・ガス生産に対しては不当な補助金を廃止すると主張している。

ハリスの政策は減税や支援金の財源として、財政赤字を拡大する可能性があるが、大きな負担にはならないだろう。一方、株式市場にとっては、クリーンエネルギー関連や不動産・住宅関連に追い風が吹き、石油・ガス関連には逆風が吹いたとしても、総じて緩やかな株価上昇が期待できそうだ。

しかし、トランプの場合は米国株に大きな重しをのせる可能性がある。

その懸念については、後編記事『トランプ再選で起きる「NYダウ暴落」に備えよ!新大統領誕生のあとに「株式市場」で起きる悪夢のシナリオ』でじっくり紹介していこう。

トランプ再選で起きる「NYダウ暴落」に備えよ!新大統領誕生のあとに「株式市場」で起きる悪夢のシナリオ