きょうのNY為替市場は、次第にドル売りが優勢となる中、ポンドドルは1.30ドル台に買い戻されている。一時1.2935ドル付近まで下落していた。この日は注目されていた英秋季予算案がリーブス英財務相から発表された。

 同財務相は国民保険料の引き上げなどで400億ポンド規模の増税を発表。公共サービスへの支出を増やし、前保守党政権が残した財政赤字の穴埋めに充当するという。キャピタルゲイン課税の最高税率を24%に引き上げるほか、ファンドの運営者が得る成功報酬の一種であるキャリードインタレストのキャピタルゲイン課税も4月に32%に引き上げる。1月からの私立学校授業料への付加価値税導入なども発表。来年の燃料税は凍結した。

 一方、同財務相は新たな財政ルールを発表。投資資金調達のための公的借り入れ枠の拡大を認めるもので、債務拡大にさらに拍車をかけることになる。これを受けて英国債利回りが上昇し、ポンドをサポートしている。

 短期金融市場では英中銀による年内利下げ観測が後退しており、11月に0.25%ポイントの利下げを実施した後は、12月は据え置きの見通しが追加利下げを上回っている。

GBP/USD 1.3007 GBP/JPY 199.24 EUR/GBP 0.8350

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美