富士山の初冠雪の平年日は10月2日です。今シーズンは、今日27日午後3時までで、まだ観測されておらず、1894年の統計開始以来、最も遅い記録を更新する見通しです。今日27日の雲の様子をみると、本州付近に前線の雲が広がり、南の海上とベトナム付近にはそれぞれ台風の雲がみられます。季節の進みは随分遅く、11月に入るころにかけても、台風の進路など色々季節外れとなりそうです。

富士山の初冠雪 今シーズンまだ観測なし

富士山の初冠雪の平年日は10月2日です。昨シーズンは10月5日でした。今シーズンは、今日27日午後3時までで、まだ観測されていません。
富士山の初冠雪は、1894年の統計開始以来、最も遅い記録は、1955年と2016年の10月26日で、今シーズンはこの記録を更新する見通しです。

台風の進路など色々季節外れ

観天望気で「富士山に雪くれば 台風来ず」といわれます。季節が進み、台風の上陸がなくなるころを表しています。この言葉の限りでは、今シーズン、まだ台風の襲来が心配ということになります。

現在、南の海上とベトナムに、それぞれ台風があります。
台風20号は、22日にフィリピンの東で発生しました。その後、進路を西よりにとり、今日27日午後3時、ベトナムを南西へ時速20kmで進んでいます。中心の気圧は990hPa、中心付近の最大風速は23 m/sです。

台風21号は、25日にマリアナ諸島近海で発生しました。台風21号も進路を西よりにとり、今日27日午後3時、フィリピンの東を西北西へ時速20kmで進んでいます。中心気圧は990hPa、中心付近の最大風速は20m/sです。

台風20号、台風21号ともに、日本の南の高気圧に北上を阻まれています。夏にみられるような勢力の強い高気圧です。
台風20号は、今後、Uターンして南シナ海で熱帯低気圧に変わる見込みです。
日本の南の高気圧は、今後やや後退するものの、この時期としては日本の南への張り出しが強いでしょう。台風21号は、この高気圧の縁に沿って、北上する見込みです。11月1日ごろは、台風21号の接近に伴って、本州付近の前線の活動が活発になるでしょう。

10月の台風発生は珍しいことではありませんが、台風21号は、夏から初秋によくみられる進路をとることになります。そればかりか、10月下旬だというのに、本州付近に前線が停滞していることも季節外れです。

31日〜11月1日ごろ先島諸島は大しけや暴風に

台風21号は、今後発達しながら北上し、非常に強い勢力となって、31日から11月1日ごろに沖縄地方に接近するおそれがあります。
先島諸島では、31日から11月1日ごろにかけて大しけや暴風となる所がある見込みです。台風の進路等によっては、警報級の大雨や高潮となるおそれもあります。沖縄本島地方でも、台風の進路等によっては31日から11月1日ごろにかけて、大しけとなるおそれがあります。

11月1日ごろ西日本は大雨のおそれ 2日ごろ大雨は東日本に広がる

本州付近の前線の活動が活発になる11月1日ごろ、西日本では、暖かく湿った空気の流れ込みの程度によっては警報級の大雨となるおそれがあります。
台風21号の北上に伴って、大雨は2日ごろに東日本へ広がり、総降水量が多くなる可能性があります。

台風や前線の影響を受ける期間は、九州から東海を中心に、最高気温が25℃くらいまで上がるなど、蒸し暑いでしょう。気温も季節外れの日がありそうです。

11月3日ごろから立冬に向けては季節一気に進む

11月7日は、二十四節気の「立冬」です。3日ごろから立冬に向けては、季節が一気に進むでしょう。

3日ごろから、前線が本州付近に停滞することはなくなり、冬にみられるような西高東低の気圧配置になることがある見込みです。大陸から寒気が流れ込みやすいでしょう。ようやくこの時季に、富士山は、雪化粧となるかもしれません。
さらに、南の海上は対流活動が不活発になり、台風など熱帯擾乱が発生しやすい今の状況とは違ってくるでしょう。

最高気温は九州から関東でも、日差しが届いても20℃に届かない日が数日続くことがある見込みです。
11月も高温傾向ですが、気温の変化が大きいでしょう。体調を崩さないようお気をつけください。