軍の特殊作戦用の訓練基地を視察する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(中央)=9月(朝鮮中央通信=共同)

 【ソウル共同】北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻を支援するのに派兵したとされる特殊部隊は「暴風軍団」と呼ばれる精鋭の第11軍団に所属する。過去の在韓米国人拉致計画で主力に位置付けられ、金正恩朝鮮労働党総書記が視察したこともある。ウクライナは警戒するが、ロシアとの共同訓練の経験は乏しいとみられ、実際の戦闘力は未知数との見方もある。

 22日付の韓国紙中央日報によると、北朝鮮の対韓宣伝サイト「わが民族同士」(現在は閉鎖)は2013年3月、暴風軍団が加わる作戦を明らかにしている。韓国側を一斉射撃し軍事施設などを攻撃した後、暴風軍団を投じソウルなどに住む米国人約15万人を人質として拉致するとの内容だ。

 暴風軍団は4万〜8万人規模とされ、1968年に韓国大統領府襲撃未遂事件を起こした部隊が母体だとみられている。

 韓国の情報機関、国家情報院によると、北朝鮮は第1陣として約1500人をロシア極東ウラジオストクに派兵した。最終的に4個旅団計1万2千人をウクライナに送ると予想されている。