ヤンキースのアーロン・ジャッジ(左)とドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

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低下する米国での野球人気「日本の方がずっと人気」

 スターの“頂上決戦”を野球界全体が望んでいる。ドジャースは20日(日本時間21日)、メッツとリーグ優勝決定シリーズ第6戦を戦う。大谷翔平投手にとって初のワールドシリーズまで残り1勝。ア・リーグではヤンキースが王手をかけており、東西の名門がぶつかる可能性が高まってきた。

 今年のプレーオフは大谷以外にも多くの日本人選手が出場。中でも山本由伸、ダルビッシュ有両投手の投げ合いとなった11日(同12日)のドジャース-パドレスの地区シリーズ第5戦は、MLBポストシーズン史上、日本で歴代最高の視聴者数を記録。米国内では視聴者数が750万人なのに対し、日本での視聴者は1290万人と上回った。

 米全国紙「USAトゥデイ」の敏腕記者、ボブ・ナイチンゲール氏は「特にオオタニがいますし、そしてダルビッシュが投げていたときもそう。野球は米国でより日本でのほうがずっと人気がありますよ」とその人気に驚く。一方で米国内での野球人気が下がっていることにも言及する。

「米国では正直言ってアメフトがスポーツの中では1番です。優に1番のスポーツなんです。バスケットボールが2番かもしれない。野球は3番になる。以前は野球が1番でした」

ドジャースvsヤンキースの対決なら43年ぶり「かなりの視聴率になる可能性がある」

 野球人気が低下する中、今回のワールドシリーズは“復権”のチャンスとも同記者は見ている。ここまでリーグ優勝決定シリーズでドジャースはここまで3勝2敗でメッツに王手をかけ、ヤンキースもガーディアンズに王手をかけている。ワールドシリーズで両球団が対戦すれば、1981年以来43年ぶりとなる。

 今季大谷は史上初の「50本塁打&50盗塁(50-50)」を達成するなど打率.310、54本塁打59盗塁、130打点をマーク。本塁打と打点の2冠に輝いた。対するジャッジも打率.322、58本塁打144打点。圧倒的成績でMVPはほぼ確実視されている。ナイチンゲール記者はドジャース-ヤンキースが実現すれば「久しぶりにかなりの視聴率になる可能性がある」と話す。

「この2人はあまりのスーパースターなので、NBAでいえばマジック・ジョンソンとラリー・バードがいたときのような。あの2人はビッグで象徴的でした。なので誰もが注目するでしょう。MLBはそれを望んでいる、彼らはその2チームが進出してほしいんですよ」

 大谷にとって夢のワールドシリーズ。ジャッジとの競演はMLB全体の願いでもある。(川村虎大 / Kodai Kawamura)