中国の輸出不調、貿易障壁が長期的に影響する恐れ―独メディア

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独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは15日、「中国の9月の輸出は市場予測を大きく下回った。貿易障壁が長期的に影響する恐れがある」とする記事を掲載した。

中国税関総署が14日発表した9月の輸出は前年同月比2.4%増の3037億1000万ドル(約45兆4800億円)だった。

記事は、「伸び率は市場が予測した6%および8月の8.7%を大きく下回った」と指摘。輸入についても「前年同月比0.3%増の2220億ドル(約33兆2400億円)で、輸出と同様に市場予測より低かった」とし、ロイターは約0.9%、ブルームバーグは0.8%とみていたことを伝えた。

輸出の伸びが鈍化したことについて、税関総署の報道官は同日の記者会見で「短期的な正常なデータ変動」「主にいくつかの短期的、偶発的要因の影響を受けた」とし、長江デルタを襲った台風や世界的な輸送の不順、コンテナ不足などを挙げた。

一方、キャピタル・エコノミクスのエコノミストの黄子春(ホアン・ズーチュン)氏は輸出量が2桁のスピードで伸びていることに言及しつつも「増え続ける貿易障壁がますます大きな制約になるだろう」との考えを示し、「中国の金融緩和政策への移行が貿易相手国の需要を支えるのに役立つかもしれないが、中国の輸出の成功は他国に貿易規制強化を促す。長期的な輸出の伸びが抑制される可能性がある」と指摘したという。

記事はまた、「米国やカナダが対中貿易規制を続ける中、内部に意見の食い違いがあるとはいえ、欧州連合(EU)は今月、中国の電気自動車(EV)に最大45%の関税を課すことを決めた」と伝えた。

記事はこの他、東方金城国際信用評価の首席マクロアナリストの王青(ワン・チン)氏が「中国の第4四半期(10〜12月)の輸出はプラス成長を維持するだろう」とする一方、「外需の鈍化を背景に輸出の下振れリスクは比較的大きい」と述べたことを紹介した。(翻訳・編集/野谷)