ギャルモデルは25歳まで続けたそうだ。26歳で会社員を辞めて、現在の会社を起業するに至った。

「まずは大阪で3畳のシェアオフィスから3名で、現在の『株式会社アンドエーアイ』の前身である『株式会社ドリグロ』をスタートしました」

経営者としてギャルとは無縁に……と思いきや、意外な形でつながっていた。

◆“表現したい”という願いを押さえつけない

なんと、大阪オフィスのスタッフには「絶滅危惧種の黒ギャルが1人いる」とのこと。

「ギャル時代に一緒に海の家で働いていた人が、大阪オフィスの事務をやってくれています。信頼してるので、会社のお金まわりのことも安心して任せられます。ちなみに彼女の肌の色は、今でも真っ黒です(笑)」

会社では四半期に一度、バーベキューパーティーなどのイベントを行っているとか。その時にも「黒ギャル」の社員が大活躍しているそうだ。

「うちの社員はエンジニアが多いのですが、そのなかでも彼女はめちゃくちゃ盛り上げてくれます。彼女くらいパリピでムードメーカーな社員はいないんじゃないかな」

他にも、さまざまなところで、ギャルマインドは生きている。

西さんは、起業した会社でも、服装は自由にしたという。ここにも「“表現したい”という願いを押さえつけない」という想いが垣間見られる。

「さすがにハーフパンツにサンダルはダメだけど、長いズボンにサンダルならOK、ハーフパンツにシューズならOKにしています。髪の色も長さも自由にしていますが、誰も髪を染めていないので、社長の私だけ明るかったりするんですけどね」

--「なりたい姿になる」という、不屈のギャルマインド。そこには「年齢や肩書きを理由にして、やりたいことを諦める」という選択肢はない。臨機応変に形を変えながらも、自分のスタイルを貫き通す。この姿勢には男女を問わず、学ぶものが多いはずだ。

<取材・文/綾部まと、撮影/長谷英史、編集/藤井厚年>

―[西真央]―

【綾部まと】
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother