インドとカナダ、外交官を追放 シーク教徒の殺害巡り対立激化

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Krishn Kaushik Sakshi Dayal Promit Mukherjee

[ニューデリー/オタワ 14日 ロイター] - カナダ政府は14日、インド外交官6人の国外追放を決定した。インド側もカナダの外交官6人の追放を発表。カナダでインドでのシーク教徒独立運動に関わった男性が殺害された事件を巡り、両国の対立は激化している。

カナダのトルドー首相は会見で「政府は現在、インド政府の諜報員が公共の安全にとって重大な脅威となる活動に関与しており、現在も関与し続けているという明確かつ説得力のある証拠を握っている」と説明した。

これらの活動には、秘密裏の情報収集や強制的な行動、南アジア系カナダ人を標的にしたもの、殺人を含む十数件の脅迫・暴力行為への関与が含まれているという。

カナダ政府は、昨年6月にバンクーバー近郊でシーク教徒指導者ハルディープ・シン・ニジャル氏が殺害された事件について、インド政府職員が関与していたとの信頼できる情報について調べていると発表している。

インド政府はこれまでトルドー氏の主張を否定してきた。14日にはトルドー氏が「政治的意図」を追求していると非難。インド外務省は6人のカナダの外交官に対し、19日まで出国するよう要請した。

カナダはインド本国のパンジャブ州以外でシーク教徒の人口が最も多い国であり、モディ政権は警戒を強めている。