歓喜の輪を作る明徳義塾ナイン

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 「佐賀国民スポーツ大会・高校野球・決勝、明徳義塾3−1小松大谷」(9日、さがみどりの森球場)

 決勝戦が行われ、明徳義塾が小松大谷を3−1で破り、西武・岸潤一郎外野手(27)を擁した2014年以来、10年ぶり2度目の優勝を果たした。佐賀県出身の内山瑠唯投手(3年)が地元のマウンドで完投勝利を達成。今夏の甲子園では登板のないまま終わっていた苦労人が、高校最後の試合で有終の美を飾った。

 凱旋(がいせん)登板で明徳義塾・内山が主役となった。最後のアウトを取ると人さし指を突き上げ、歓喜の輪の中心で跳びはねた。

 「本当になにかの運というか。感謝しかない」。佐賀県出身で地元開催となった国スポ。「懐かしいなと感じた」と小、中学時代から慣れ親しんだマウンドだった。両親など家族が見守る前で堂々と腕を振り、9回3安打1失点で完投を果たした。基山中の軟式野球部から甲子園出場を目指し、名門・明徳義塾に野球留学を決断。入部当初は軟式と硬式出身者の実力差を痛感するも死に物狂いで食らいつき、最後の夏は背番号「1」をつかんだ。ただ、今夏甲子園で登板機会は訪れず。「悔しい思いをした」と話す苦労人が最後に輝いた。

 10年ぶりの優勝をつかんだ馬淵史郎監督(68)は「日本一いうたら悪くないですね」と満面の笑みを浮かべた。