6回、無死満塁のピンチを抑えきり、出迎えたナインに気迫の入った表情でタッチを交わす才木(撮影・立川洋一郎)

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 「阪神1−0巨人」(22日、甲子園球場

 阪神は首位・巨人との接戦を制し、1ゲーム差に迫った。

 先発の才木が圧巻の投球を披露した。試合前まで今季の甲子園は9試合に登板して5勝0敗、防御率1・69と抜群の安定感を誇った右腕。この日も7回を投げて7安打無失点と巨人打線を前に躍動し、自己最多を更新する13勝目を挙げた。

 驚異の粘りを発揮したのは1点リードの六回だ。先頭の浅野に左中間二塁打を浴びると、吉川に四球を与えて無死一、二塁。ここで岡本和にも四球を与えて無死満塁と絶体絶命のピンチを背負った。

 しかし、ここから右腕の真骨頂。聖地の声援を受けながら、5番・長野を投飛に仕留めると、続く坂本を二飛に抑え、最後は代打・大城卓を中飛に仕留めて無失点で切り抜けた。

 先制点を奪ったのは三回。微妙なジャッジから攻撃の流れが生まれた。1死一塁で才木が送りバントの指示で、2ストライクからの3球目にバットを出したように見えたが、判定はボール。さらに4球目のカットボールも送りバントを試みて空振りしたように見えたが、判定はノースイングとなった。続く5球目に捕手前への犠打を決め、一走・木浪を二塁に進めた。

 2死二塁から近本が左前打を放って一、三塁。一打先制の好機で中野が右前適時打を放ち、試合の主導権を握り、その後はゲラ−岩崎とつないで虎の子の1点を守り抜いた。