レプリカに背を向けていたカワサキが徹底抗戦スタート!

1989年、カワサキはそれまで400ccクラスには4気筒のZX4をラインナップしていたが、それまでレプリカ路線に否定的だった姿勢を貫いていたのを翻し、ZXR750をそのまま400cc版としたようなZXR400をリリースした。
しかも最後発として妥協を辞さない過激な仕様をアピール、レーシングマシン専用だった倒立フロントフォークを、市販車として初採用する大判振る舞い。
同時にSP仕様もライイナップして、先行ライバルと肩を並べる先鋭化したパフォーマンスをアピールしてみせた。
スペックもZX4のヘッドまわりを挿げ替えたハイチューン、57×39mmの398ccで59PS/12,000rpmと4.0kgm/10,000rpmと自主規制値上限ではあるものの、敢えて回せば回すほどピークパワーを感じられる尖った性能曲線としている、いかにもカワサキならではの特性に仕上げられていた。

またカワサキ・カラーのライムグリーンに加え、黒一色やブルーにレッドのグラフィック仕様と、レプリカにスーパースポーツの位置づけをオーバーラップさせるカワサキの戦略を窺い知れるラインナップが居並んだのだ。

この1989年はカワサキがゼファーをデビューさせていて、その後に空前のネイキッドブームを牽引するのだが、それと180°方向を異にするカテゴリーにも全力投球するカワサキの勢いは凄まじかった。

最後発は最後までシリーズを進化させ続けた!

そして1991年、ZXR400はアルミプレス材のテーパー型ツインチューブフレームと、目立たないもののフルモデルチェンジともいえるベースから見直すマイナーチェンジを実施。
送ればせながら全日本ロードレースへの参戦、そのフィードバックともいえる2kgの軽量化と剛性アップに加え、スイングアームもKIS-ARMのテーパー型プロファイルとして10mm延長、ヘッドライトをシングルレンズ・ツインバルブのスラントノーズへとアッパーカウルのデザインも変更した。

1993年からは新たな馬力規制へ対応、SP仕様も市販車として破格な豪華装備を奢るなど、レプリカ終焉に各メーカーが手を引くなか、1999年モデルまでイヤーモデルを存続リリースさせていた。

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