AMDが2024年9月6日からドイツ・ベルリンで開催されている国際コンシューマ・エレクトロニクス展(IFA 2024)において、一般ユーザー向けGPUとデータセンター向けGPUの双方で使えるアーキテクチャ「UDNA」を開発中であることを発表しました。これにより、NVIDIAのCUDAエコシステムと同様の統合が実現し、ラップトップからデータセンターまで、あらゆる場所でアプリケーションを実行できるようになります。

AMD announces unified UDNA GPU architecture - bringing RDNA and CDNA together to take on Nvidia's CUDA ecosystem | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/amd-announces-unified-udna-gpu-architecture-bringing-rdna-and-cdna-together-to-take-on-nvidias-cuda-ecosystem



AMD reveals plans to unify its data center and consumer GPU architectures - SiliconANGLE

https://siliconangle.com/2024/09/09/amd-reveals-plans-unify-data-center-consumer-gpu-architectures/

AMD to Unify Gaming "RDNA" and Data Center "CDNA" into "UDNA": Singular GPU Architecture Similar to NVIDIA's CUDA | TechPowerUp

https://www.techpowerup.com/326442/amd-to-unify-gaming-rdna-and-data-center-cdna-into-udna-singular-gpu-architecture-similar-to-nvidias-cuda

AMDは一般ユーザー向けGPUにはレイトレーシング機能などゲームプレイに役立つ機能を備えた「RDNA」アーキテクチャを採用しており、データセンター向けGPUにはAI処理などに最適化した「CDNA」アーキテクチャを採用しています。

IFA 2024の中でAMDのシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるジャック・フイン氏は、将来的にCDNAとRDNAをUNDAと名付けた1つのマイクロアーキテクチャに統合し、NVIDIAのCUDAエコシステムに匹敵することを目指していると発表しました。



フイン氏によると、アーキテクチャの統合によってAMDのエンジニアリングチームがより効率的な運用を図れるとのこと。UDNAという1つのアーキテクチャにアプリケーションの最適化を行うことはCDNAとRDNAの2つのアーキテクチャで最適化を実施するよりも作業が容易で、サードパーティーの開発者にも利益をもたらすと主張しています。海外メディアのTechPowerUpは「新しいUDNAによって、最適化された各アプリケーションをRadeon RX 7900 XTXのような一般ユーザー向けGPUやInstinct MI300のようなデータセンター向けハイエンドGPUで実行できるようになります」と解説しました。

なお、CDNAとRDNAの統合時期についてフイン氏は明らかにしていません。

また、IFA 2024の中でフイン氏は、一般ユーザー向けGPU市場において今後AMDは低コストのGPUに注力することを明かしています。消費者向けハイエンドGPU市場におけるAMDのシェア率は12%で、ライバルのNVIDIAの88%に対して大きく水をあけられています。そこでAMDはNVIDIAとのハイエンドGPU市場での競争を続ける前に、一般ユーザー向けGPU市場でのAMDの存在感を高めることを計画しているそうです。

フイン氏は「現時点でAMDのハイエンドGPUはNVIDIAを差し置いて採用されるほどユーザーの理解が深まっているわけではありません」「ローエンドGPU市場でのAMDのシェアを拡大することで、より多くの開発者がゲームをAMDのチップに最適化するようになり、その結果盤石な基盤を構築してハイエンドGPU市場でNVIDIAとの競争に挑めるようになります」と語っています。