HYBE バン・シヒョク議長、K-POPアーティスト育成における自身の哲学を語る「ファンを幸せにすることが一番」

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「長い間、K-POPの方法論を基盤に、様々な国の人材を育成し、彼らと共にK-POPスタイルのグローバルグループを作りたいと考えていた」

昨年8月、HYBEとGeffen Recordsが共同で行うグローバルガールズグループオーディション番組「The Debut: Dream Academy」の参加者20人を紹介し、本格的なスタートを知らせる場で、バン・シヒョク議長はこのように強調した。この番組を通じて6人組ガールズグループKATSEYEが誕生し、今年6月にデビューを果たした。彼女たちの軌跡に迫るNetflixドキュメンタリーシリーズ「ポップスター・アカデミー: KATSEYEになるまで」には、K-POP固有のトレーニングシステムを適用し、K-POPをグローバル化させるというバン・シヒョク議長のビジョンと共に、アーティスト育成についての考えや哲学を垣間見ることができる発言が随所に盛り込まれている。

K-POPはトータルパッケージ…芸術家の感性と運動選手の強さが必要

バン・シヒョク議長はドキュメンタリーで「すべてのメンバーが最高のシンガー、最高のダンサーになることはできないけれど、皆が一定水準以上になってこそ、チームに合流できる」と断言した。ボーカル、パフォーマンス、スター性など、特定の才能だけでK-POPアーティストにはなれず、あらゆる分野で能力を培わなければならないという話だ。

2018年、韓国のあるテレビ講演でも「K-POPアイドルがそれぞれの持つコンセプトを人々に伝えるためには、複合的な要素が同時に機能する」と説明。彼は「驚くべきパフォーマンス、グローバルトレンドを反映させた音楽や魅力的なビジュアル、完成度の高いミュージックビデオなど、K-POPはこのすべての要素が合わさった『トータルパッケージ』だと考えている」という見解も伝えた。

KATSEYEのトレーニングを担当したアメリカの制作者やスタッフたちも、トレーニングに関する彼の哲学に共感し、オーディションの参加者たちに適用した。ダンストレーナーのショウヘイは「ダンサーは基本的に芸術家であり、運動選手だ。芸術家のように創造力を発揮し、運動選手のように訓練しなければならない」と話したことも同じ趣旨だ。

グローバル音楽市場でのK-POPの成功要因の一つとして、「総合芸術」のようなアーティストたちの境地や完成度の高さを挙げた。ワシントン・ポストは2021年、「K-POPはどのようにして世界を征服したのか」と題した分析記事で、K-POPの成功と人気の要因は、脳裏に焼きつく歌やポイントダンス、華やかなミュージックビデオなど、総合的なものだと言及した。

スター性だけじゃない…重要なのは“ワンチーム”


バン・シヒョク議長は昨年、KATSEYEのメンバーを選抜するオーディションを行う時、2番目のミッションのテーマを「チーム」にした。彼は「チームのメンバーは非常に重要なビジネスパートナーなので、仕事におけるマナーやお互いの適切な距離を知らなければならない」とし、参加者たちがミッションで気づいてほしいポイントを明確に語った。

今回のドキュメンタリーで彼は「ステージに立っているだけで目が行く人がいる」とし、スター性を持った特定のメンバーの重要性にも何度も言及したが、「大人数グループの形態であるK-POPで、メンバーにはそれぞれの役割がある」と強調し、“それぞれの個性が調和をなすワンチーム”の重要性を強調した。

海外のK-POP専門家たちとファンも、K-POPの人気の要因であるカル群舞(体を曲げる角度から指先まで完璧に合わせ、刃物のようにキレのあるダンス)や、メンバー間のケミストリー(相手との相性)はまさにチームワークから始まると見ている。個人より共同体を強調するK-POP流のトレーニングをアメリカの音楽界で受け入れられるのかと疑う視線もあるが、KATSEYEのデビューの成功は、それが十分可能だという事実を証明してくれた。SNSやインターネットコミュニティには、「ポップスター・アカデミー: KATSEYEになるまで」の視聴者から「様々な国から来た参加者たちが“私たち”を強調するK-POPのトレーニングシステムに沿って成長する姿に驚いて感動した」と感想を明かした。

K-POPを完成させる最後のパズル…ファンの大切さを知ること

「K-POPはファンが完成させる」というバン・シヒョク議長の哲学は確固たるものだ。オーディション参加者たちが3つのミッションのうち1つを韓国でクリアし、オフラインファンミーティングを行った理由も、ファンとのコミュニケーションを何よりも重要に考えているためだ。彼は「K-POPはコアファンとのコミュニケーションがとても重要だ。ファンは物理的に同じ空の下にいることを重要に考える。デビュー前にファンの方々が参加者にアタッチメント(attachment、繋がり)を感じてほしかった」と参加者の韓国行きを推進した理由を明かした。

彼はオーディションの参加者が「K-POPアーティストが持つべき思考として最も重要な3つ」について聞くと「ファンを幸せにすること」を挙げた。彼は「人間なので、時には大変かもしれないけれど、音楽やステージ、ファンを幸せにすることを重要に考えていれば、それが止まらずに前進させる動機づけになると思う」とアドバイスし、トレーニングの過程で常にファンを念頭に置くことを願った。

所属アーティストたちにも、ファンの重要性を強調してきた。TOMORROW X TOGETHERとENHYPENは、バン・シヒョク議長が普段から「ファンのいないアーティストはいない。ファンを思う気持ちを1番大切にしなければならない」とアドバイスをするとし、それがファンとのコミュニケーションなどにも影響を与えているとインタビューで語った。

HYBEの関係者は「K-POPアーティストとコンテンツの輸出ではなく、“システムの移植”を通じてK-POPをグローバル化させることは、バン・シヒョク議長の長年の夢だった」とし「KATSEYEを通じて実現したK-POP制作システムのグローバル化に対する挑戦と検証はこれからも続くだろう」と語った。

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