「わがままでどうにもならん」吉井監督も匙を投げ…佐々木朗希 “残留説” 濃厚でもロッテに居場所なし
2020年11月、一人で二軍球場入りする佐々木。ルーキーイヤーは、一軍・二軍ともに、公式戦の登板はゼロだった(写真・伊藤 修)
8月22日、CS進出を争う2位日ハムとの一戦に登板した佐々木朗希。佐々木は満を持しての先発だったが、6回4失点と不安定な投球で4敗め。差を詰めるどころかゲーム差は3に広がった。
昨季に選手会離脱が判明したり、春季キャンプぎりぎりまで契約しなかったりと、周辺が慌ただしかったロッテ・佐々木朗希投手。それもこれも、すべては本人が早期でのメジャー移籍を願ってのものだった。そのためにも、今季は圧倒的な成績を残し、大手を振って正式なメジャー移籍志願をするはずだったのだが……。
今年も例年どおり、ケガで何度か離脱してローテーションを守れずにいる。8月23日現在、6勝4敗ながら防御率は2.45。佐々木の代名詞である奪三振率に関しても、防御率同様、2番めに悪く、昨年の13.35から10.64と2個以上下がっている。
こうした現状を踏まえて、昨季までは「何がなんでも早期のメジャー移籍」の姿勢を譲らなかった佐々木だが、「もう1年ロッテに残るのでは」と報道に変化が見られ始めた。
東スポによれば、米紙『USA TODAY』のボブ・ナイチンゲール記者が8月19日に自身のXで「複数の球団幹部によると、佐々木朗希は当初の予定どおり、この冬に赴任するのではなく、もう1シーズン日本に滞在する可能性がある」と伝えたという。このことも、“佐々木残留” を後押しする結果となっている。
ロッテ担当記者も、この残留説を支持していた。
「もし佐々木が今年、圧倒的な成績を残していたら、オフに球団とメジャー移籍をめぐって大揉めしたことは間違いないでしょう。ただ、満足する成績が残せていないので、もう1年ロッテに残るとみられています。この成績でわがままを通して移籍したら、ロッテファンのみならず、日本の野球ファンから総スカンを食らうことは確実ですからね」
ただし、「もう1年残っても、チームに居場所がないことは確か」と続ける。佐々木の現在のチームでの立ち位置は、かなりつらいものがあるようだ。
「あの温厚な吉井監督でさえ『朗希をコントロールすることは不可能。わがままでどうにもならん』と怒っていますし、球団幹部はスポーツ紙で解説を務める球団OBに『(佐々木の目を覚まさせる意味でも)悪口をどんどん書いてくれ』とお願いしているくらいですからね。
佐々木がここまでメジャー志向が強くなったのは、大谷翔平らの活躍やWBCで一緒の時間を過ごしたことが大きいことは間違いありません。ただ、もっと強いのは、高校時から面倒を見ていた大手広告代理店関係者の影響ですよ。代理店からすれば、メジャーに行って今よりもっと “大物” になった佐々木で商売をしたいわけで、『早く行け、早く行け』と彼の尻を叩いているんです。
球界関係者のなかには『佐々木は代理店に完全に洗脳されている』とまで言う人もいます。球団幹部だけでなく、監督からも見放されているわけですから、当然選手からも同様。チーム内で完全に浮いていて、居場所がありません。『なんなんだあいつは!?』と怒っている選手も多数います」(前出・ロッテ担当記者)
投手としては大谷を凌ぐとも言われる佐々木の実力。それを世界最高峰の舞台で見たいファンは多い。円満解決には、やはり実力で周囲を納得させるしかないだろう。