始まりは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番…… 米津真浩×小瀧俊治が繰り広げる2台ピアノ、連弾。 疾走する4手からもう目が離せない
2024年9月7日(土)きゅりあん大ホールにて開催される『2Pianos 米津真浩×小瀧俊治』。それぞれ人気ピアニストとして多忙なふたりによる、2台ピアノと連弾で、ピアノの可能性を広げるコンサートとなる。そんな、ピアノの多様な魅力を詰め込んだ、おもちゃ箱のようなコンサートを目前に控え、このコンサートの原点そして4手、2台ピアノの魅力についてインタビューをした。
米津真浩、小瀧俊治(C)Fukaya/auraY2
――おふたりで連弾、2台ピアノを始めたきっかけは?
米津:僕たちは大学の先輩(米津)後輩(小瀧)として出会っており、初共演は小瀧が大学院の修士試験でベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏し、オーケストラパートを僕が担当した時です。
小瀧:ふたりともソリストとしてそれぞれ活動しておりましたが、その後10年程前、とある野外イベントでピアノ連弾を演奏したら、とても好評で、それから様々なホール公演やアウトリーチ活動として全国各地の学校公演にも2人で招かれるようになりました。
――ふたりで演奏を始めてみてどうでしたか?
米津:何よりも僕たちは仲が良くて、いつも和気藹々とした空気感でいられるのが平和で最高ですね。楽屋を2つ用意してくださっていても、なぜかふたりで同じ部屋に入るくらいで……(笑)。音楽面でもお互いの感性や特徴、クセのような部分を知り尽くしているので、このふたりならではの相乗効果、化学反応といったことを自分たちも毎回楽しんで演奏しています。
小瀧:公演後、お客様から「衝撃的でした」「ピアノ連弾をやってみたくなった」「ピアノを習っている子どもに聴かせたい」など嬉しいお声掛けも多く、年齢問わず幅広いお客様に僕たちの音楽を素直に楽しんでいただけているように感じています。
――仲が良いおふたりならではの明るく楽しいエネルギー溢れるコンサートなのですね。おふたりでの活動も10年が経ち、演奏に変化はありましたか?
米津:お互いの音楽性への理解がより深まり、まさに阿吽の呼吸とも言えるようなふたりならではのアンサンブルになってきているように感じます。連弾は二人の体型のバランスや瞬発力、運動神経のような部分もかなり求められるのですが、いい意味でお互いに変な気を遣う事なく自由に表現できる境地にまで達している気がします。コンサートごとにその場の空気感や、お互い仕掛け合いのような自由な部分もより楽しめるようになりました。
――連弾という制限のあるスペースでもお二人が自由に伸びやかに演奏されていらして、20本の指から繰り広げられるデュオとしての可能性は無限大に感じますね! 9月7日きゅりあんの公演ではどんなプログラムを演奏されるのですか?
小瀧:今回のコンサートでは2台ピアノ、連弾どちらも最大限にお楽しみ頂けるスペシャルなプログラムを組みました。新曲としては、2台ピアノの魅力を存分に楽しんでいだたけるモーツァルトの「2台ピアノのためのソナタ」、チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」組曲よりを初披露します。モーツァルトは「のだめカンタービレ」でも、主人公ののだめと千秋先輩が連弾をする印象的なシーンで使われましたので、心に残っていらっしゃる方も多いと思います。
米津:ピアノ連弾では僕たちのためにアレンジしていただいた特別な作品を中心に、連弾ならではのアクロバティックな動きで超絶技巧な側面を見て聴いて存分にお楽しみ頂きます。又、オープニングは連弾で「ビゼー(森亮平編):カルメンファンタジー」、そしてエンディングでは2台ピアノで「ローゼンブラット:カルメンファンタジー」というどちらも同じビゼー作曲のオペラ「カルメン」を題材にした曲を演奏します。編曲の違いによって同じ題材から全く違った側面や魅力を引き出すその面白さも味わって頂けると思います。
そして全曲通して言えるのは、クラシック音楽への深い尊敬、年月が経っても決して色あせない魅力を皆様に伝えていきたい、という僕らの熱い想いです。
――おふたりの根幹にあるのはクラシック音楽への熱い想いということがよく分かりました。これからおふたりの活動の先、次のステージで目指したいことはおありですか?
小瀧:まだ演奏したことがない2台ピアノ、連弾曲は沢山あるので、新しい曲にもチャレンジしていきたいですし、僕たちのためにアレンジしていただいた作曲家の林そよかさんはじめ、素晴らしい作編曲家の方達がいらっしゃるので、今後新たなアレンジも披露できたら嬉しいです。
米津:クラシック音楽のコンサートに行ったことがないっていう方々に僕たちの演奏をきっかけに好きになってもらえたら最高ですね。全国へ出かけていってまず僕たちの演奏を聴いていただき、お客様に「時間を忘れて楽しむひととき」をプレゼントしたいです。
そして、その先にはサントリーホールを僕たちの演奏を聴きにくる方々で埋め尽くしたいですね(笑)。
――そんな未来も見えてきそうですね! それでは最後に9月7日きゅりあん大ホールにお越し頂けるお客様にメッセージをお願いします。
米津:クラシックコンサートと言えば、ちょっとお堅いイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?そんなイメージを払拭させる楽しいコンサートです(笑)。皆様、是非会場で一緒に盛り上がりましょう!
小瀧:2台ピアノ、連弾の魅力が最大限に伝わるように全身全霊で演奏します! この機会を逃して後悔しませんように、なんとしても9月7日はきゅりあん大ホールへお越しください!!会場でお待ちしております!
――本日は楽しいお話をありがとうございました。9月7日のコンサートのご成功をお祈りしております!