8月7日から開幕した「夏の甲子園(第106回全国高等学校野球選手権大会)」に、新たな伝説が誕生した。9回裏サヨナラ負け大ピンチで見せた、早稲田実(西東京)の異例すぎる“内野5人守備シフト”や、その後延長11回タイブレークに突入した激闘が、多くの野球ファンに衝撃を与えた!

【動画】現地・甲子園もネット上もどよめいた、早稲田実(西東京)の“内野5人守備シフト” 超珍しいレフトゴロ、7-3-2のダブルプレーでサヨナラ負け回避

夏の甲子園に新たな伝説が生まれたのは、8月17日の3回戦第4試合。第1回大会から出場する、早稲田実と大社(島根)の伝統校対決だ。両校のエース投手の好投により、試合はロースコアの激戦となり、早稲田実が2対1でリードして9回へ。この9回から、衝撃展開だらけの熱いドラマが始まった。

9回裏、大社は土壇場で早稲田実と同点になり、さらに1アウト2・3塁でサヨナラ勝ちのチャンスに。一方大ピンチの早稲田実は、和泉実監督が超変則の守備を選手たちに指示した。それは、スクイズ警戒のためにレフトがピッチャーの横に入る、内野5人守備シフト! 和泉監督のこの奇策は功を奏して、早稲田実はサヨナラ負けを阻止。記録上では非常に珍しいレフトゴロ、7-3-2のダブルプレーとなった。

早稲田実の内野5人守備シフトに、衝撃を受けた野球ファンは多い。X(旧Twitter)上には、「早実の9回の守備陣形は伝説の7-3-2のゲッツーと記憶されるだろう。まさに奇策だし、そこに打球がいくのもまた奇跡」「7-3-2のゲッツーなんて絶対に今後見ることが無いだろ!」「9回裏のレフトが内野を守るという漫画・アニメのようなシフト。この守備をさせてかつ、成功させた 早稲田実業 和泉実監督、恐るべし」といった声が続出した。

9回裏の超展開はもちろん、延長タイブレーク突入後も熱い。延長10回、早稲田実と大社はバントシフトの応酬を繰り広げるものの無得点のまま、試合は延長11回へ。この回の裏で、大社の2年生・安松大希選手がバントを成功させると、ノーアウト満塁で打席に立ったのは、3年生エース・馬庭優太選手! ここまでの試合を1人で投げ抜いてきた馬庭選手は、打席でも大活躍。彼の劇的なサヨナラ打によって、激闘は3対2で決着し、大社は93年ぶりのベスト8進出となった。

最後の最後まで壮絶な戦いを繰り広げた、早稲田実と大社。この熱い伝統校対決にX上では、「この試合リアタイ出来た人は勝ち組と言ってもいい。今大会最高の試合。語り継がれていいレベル」「おい名勝負すぎやろ 伝説の試合だ」「今大会、いや高校野球の歴史に残るほどのベストバウトでした!」といった声が寄せられた。なお、この試合のハイライトは、8月17日に放送された「熱闘甲子園」で紹介された。