堤真一、松雪泰子、古田新太ら出演の幻の傑作 劇団☆新感線『吉原御免状』ゲキ×シネ公開が決定

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劇団☆新感線2005年上演の本格時代劇『吉原御免状』のゲキ×シネ公開が決定した。2024年10月25日(金)より、全国25の映画館で期間限定上映される(Dolby Cinemaでの上映も決定(※映画館・時期未定)。

​劇団☆新感線の話題の舞台を映画館で上映する《ゲキ×シネ》。今回の『吉原御免状』ゲキ×シネ公開は、2024年に20周年を迎えたことを記念して展開中の「ゲキ×シネ20th記念プロジェクト」第6弾として行われる。

数々の劇団☆新感線“いのうえ歌舞伎”作品の中でも異彩を放つ『吉原御免状』(2005年上演)。座付作家の中島かずきも、演出のいのうえひでのりも、「“いのうえ歌舞伎”でよりリアルな人間ドラマに挑戦したい」という気運が高まった時期に上演された作品だ。歴史小説に新風を吹き込んだ隆 慶一郎氏の伝奇時代小説『吉原御免状』(新潮文庫刊)をもとに、情緒あふれる物語を大人の色香と写実的な殺陣で描いた大作で、作家の中島が小説をもとに描いた唯一の新感線作品だ。

「吉原」という江戸最大の遊郭の華やかさのみならず、空気や匂い、人々の感情までも浮き彫りにした、いのうえの演出。脂の乗り切った堤 真一と古田新太による生々しく凄みのある垂涎ものの殺陣。松雪泰子、京野ことみ、梶原 善の真に迫る演技、藤村俊二のペーソスあふれる名演、橋本じゅん、高田聖子、粟根まことをはじめとする劇団員たちやおなじみの俳優陣の快演など、見どころを挙げると切りがない。その魅力あふれる傑作を、《ゲキ×シネ》20年の経験と最新技術を駆使して刷新、唯一無二の本格時代劇をゲキ×シネならではのクオリティで立ち上げる。新たな編集、こだわりの映像表現によって、上演当時のキャスト陣の瑞々しさや熱、虚実ないまぜで描かれた吉原の物語や舞台の風合いを見事に再現。また、Dolby Atmosにより音楽と音響効果をダイナミックに、劇場空間ならではの臨場感も高めている。

公開決定に合わせて、ゲキ×シネ版ポスタービジュアルも公開に。主演の堤 真一演じる青年剣士、松永誠一郎の”静”と”動”が際立つビジュアルが印象的なデザインとなっている。また、作品の世界観をいち早く感じられる予告映像も解禁された。

さらに、ムビチケ前売券(オンライン)の販売も決定。購入特典として、“メインキャスト9名のビジュアルデジタル画像”と鑑賞後にもらえる”ムビチケデジタルカード“が用意されている。ムビチケ公式サイトにて発売中だ。

また、10月27日(日)には、ゲキ×シネ『吉原御免状』の公開を記念して、中島かずき(脚色)×金沢尚信(ゲキ×シネプロデューサー)×永井紗耶子(直木賞作家)のアフタートークショー開催が決定。隆 慶一郎の小説を舞台に立ち上げた中島、19年の時を経てゲキ×シネ上映を実現した金沢、そして時代小説家として活躍し、劇団☆新感線ファンでもある直木賞作家・永井紗耶子氏も交え、傑作舞台の誕生とゲキ×シネでの復活の裏側を、新宿バルト9にて本編上映後に語る。

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あらすじ

俺の中に鬼がいた───優しさゆえに血を流す 行き着く先は極楽か、地獄か

時は明暦3年、江戸最大の遊郭・吉原が生まれ変わり、幕が開ける夜。若き剣士、松永誠一郎(堤 真一)は、師であり育ての親である剣豪・宮本武蔵の遺言により、肥後の山中から江戸へと向かう。吉原を設立した庄司甚右衛門を訪ねるためだ。途中、奇妙な老人・幻斎(藤村俊二)から含みのある言葉を掛けられる。
「吉原はこの世の極楽だよ。そして地獄かな」
浅草日本堤から広がる光の街に吞み込まれた誠一郎は、新吉原お披露目の賑々しく絢爛豪華な花魁道中に遭遇。吉原一と名高い高尾太夫(京野ことみ)の威厳のある美しさに圧倒され、色香漂う艶やかな勝山太夫(松雪泰子)に心惹かれる。華やかさの裏にある何かに胸が騒ぐ誠一郎の前に現れたのは、秘密組織「裏柳生」の総帥・柳生義仙(古田新太)。吉原設立にまつわる「神君御免状」を狙っているのだ。人を斬ることを望まない心優しき誠一郎だが、凄腕である義仙の殺気にやむを得ず刀を抜く。
吉原を見回る旗本・水野十郎左衛門(梶原 善)、柳生家当主・柳生宗冬(橋本じゅん)、義仙の忠臣・狭川新左衛門(粟根まこと)……それぞれの思惑が露見し、誠一郎の出生の秘密が明らかになる。幻斎は吉原に隠された秘密を誠一郎に伝えるべく、紀伊熊野の八百比丘尼(高田聖子)の手を借りることにした。誠一郎が目の当たりにしたのは、支配とは無縁に生きてきた自由の民、《道々の輩》への為政者による謂れなき迫害。辛く哀しい過去を辿るうち、誠一郎は誇り高き道々の輩に心を重ねていく。
華やかな吉原の裏に隠された秘密、裏柳生の狙う「神君御免状」の謎、勝山太夫との秘恋と壮絶な別れ……すべてがつながった瞬間、優しき剣士はかつてない激情に駆られ、鬼と化したのだった!

劇団☆新感線主宰・演出家/いのうえひでのりコメント

この作品のクライマックスの堤クン演じる松永誠一郎と古田演じる柳生義仙の一騎打ちの立ち回りの迫力と殺気は、数ある新感線の殺陣・アクションシーンの中でも、ベストバウト。五本の指に入る名シーンではないでしょうかね。
隆 慶一郎先生の原作をリスペクトすることありきで作られた舞台なので、いつものように新感線的小ネタが入っていないのも映画的には見易いのかも。
是非、スクリーンで観て欲しい。とても、映画的なゲキ×シネだと思います。

劇団☆新感線座付作家/中島かずきコメント

あの公演から19年を経た今、ようやくゲキ×シネとして新感線版『吉原御免状』が甦る。
改めて大きなスクリーンで観ることが出来て嬉しい。
みんな若いが、とにかく、堤 真一さんの松永誠一郎がいい。対する柳生義仙の古田くんもまだ若くギラギラとした凄みも利いている。2人のクライマックスの死闘は圧巻だ。
新感線としては異色の本格時代劇。いのうえ歌舞伎の新しいステージはここから始まった。その意味でも思い出深い作品だ。
そして、この作品が気に入ったなら是非、隆 慶一郎氏の小説を読んでほしい。新感線ファンならきっと楽しめるはずだ。いのうえ歌舞伎の源流の一つが、間違いなくここにあるのだから。

ゲキ×シネプロデューサー/金沢尚信コメント

ゲキ×シネは今年で20歳になりました。この節目にどうしてもゲキ×シネとして上映したかったのが本作『吉原御免状』。
当時ゲキ×シネとして製作するつもりでしたが、上映まで辿り着けませんでした。だからといって本作への熱意は消えることなく、どこかで必ずやり遂げたい。ことあるごとに強く念じ続けてきました。再挑戦する上でまず考えたのは、今現在持てる総力を持って19年前に挑みたい。2005年には出現していなかった技術や持ちあわせていなかった知識を使って、世に送り出す。大いにエキサイティングなチャレンジです。
エンドクレジットには、すでに鬼籍に入られた方もおられ、時間がとても深く刻まれたことが実感できます。この作品に関わったすべてのキャストとスタッフに深く感謝いたします。
ゲキ×シネ第28作、時代を超えて登場する新作、そして19年を経た執念の上映。とくとご覧ください。