横浜の大動脈「環状2号線」川崎市内でなぜブツ切れ? 接続道路が“大渋滞”も…「東京方面へ直結」する計画はあるのか

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大動脈がいきなり“生活道路”に

 横浜市の中心市街地の近傍を4車線で南北にむすぶのが「環状2号線」です。
 
 立体交差も多く、郊外部をスムーズにつなぐ主要幹線ですが、最北端は川崎市内で突然ブツ切れのように終わっています。その先、東京方面へ延伸する計画はあるのでしょうか。

横浜の大動脈である環状2号線(画像:写真AC)。

 環状2号線の起点は、横浜の中心街から約7km南側の、磯子区の国道357号(首都高湾岸線の側道)の新森町高架橋交差点です。

【画像】えっ…!? これが「環状2号線」の終点で行われている「世紀の大工事」です(19枚)

 そこから屏風浦、上永谷、東戸塚、新桜ヶ丘IC、羽沢、新横浜駅を経由したあと、鶴見川を渡って、東西軸「尻手黒川道路」に接続して終わります。

 1999年に山を貫く「港南ひまわりトンネル」が開通したほか、各地で4車線化が完了し、主要南北軸として横浜市内の交通流を支えています。

 さて、その環状2号線の終点部が、鶴見川を渡る「末吉橋」です。

 橋を渡ったあとはT字路に近い形状で、左折すれば元住吉駅を経て東名川崎IC方面、右折すればJR尻手駅を経て国道1号や川崎駅方面へ抜けていきます。

 しかしこの末吉橋が激しい渋滞ポイントです。橋も尻手黒川道路も2車線で、右折レーンが短く、横浜市内から川崎駅へ行く右折待ちや、川崎市西部から横浜市内へ出る右折待ちなどが滞留しています。さらに川崎駅方面から来た交通も、末吉橋の長い信号待ちのせいで、後ろへ大行列となる風景がよく見られます。

 この末吉橋が、老朽化にともなって架け替えられることとなり、川崎方面で片側2車線を確保して混雑緩和を図る設計になりました。2019年に着工となり、現在は仮橋が使われています。完成は2029年度の予定です。

 仮橋も狭いため、やはり渋滞が深刻になっていますが、信号の調整などで対策は行われているといいます。

 ところで、末吉橋から先の川崎市内は、どうしても生活道路の雰囲気がぬぐえません。環状2号線をそのまま北へ延伸する形で、幹線道路を伸ばす未来はあるのでしょうか。

 実は、そのような都市計画はなく、横浜・川崎の両市議会でも、バイパスなどの計画を提案する動きはありません。ここから東京方面へ抜けるには、いったん尻手駅を経由して国道1号へ出るしかありません。

 もしくは、鶴見川の手前で右折し、1.4km南東に抜けて国道1号の下末吉交差点に出るルートになります。もっとも後者は国の「緊急輸送道路」に指定され、4車線が確保されています。

 末吉橋周辺は、横浜市と川崎市の市境が複雑に入り乱れているという事情もあります。横浜市は鶴見川から北へ食い込んでいて、尻手黒川道路も横浜市内です。しかし末吉橋交差点だけ川崎市内というややこしさで、末吉橋の架け替え工事も両市が予算を折半して行われています。