ホンダが新型「シビック」発表! なぜ“市民の車”に「MT専用車」追加? 新グレード「RS」投入の狙いとは
MT車が減少するなか、MT専用グレード新設するワケ
ホンダは2024年8月1日、「シビック」のマイナーチェンジモデルに関する情報を発表しました。
1972年にデビューしたシビックシリーズは、世界で累計約2760万台を販売するホンダの主力モデルで、名前の由来は英語で「市民の」という意味からきています。
現行モデルは2021年に国内投入された11代目。登場から3年が経過し、マイナーチェンジモデルが2024年9月にデビューします。
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新型シビックで注目されるのは、新たに「RS」というMT(マニュアルトランスミッション)専用グレードが設定される点です。
昨今は免許を新規で取得する人の多くがAT(オートマチックトランスミッション)限定免許を選択していることやクルマの電動化が進んだことなどから、手動で変速をおこなうMTを設定するクルマが減少しています。
実際に新車の販売台数をみると、MT車が占める割合は全体の1%ほどにとどまり、多くの人がAT車を求めています。
そんななか、なぜホンダはMT車を新たに投入するのでしょうか。
新型シビックの開発担当者はこれについて、「MT車へのニーズが高まっているため」と説明します。
従来のシビック(ガソリン車)でもMT車の設定されていますが、現行モデル登場当初のMT比率が約35%だったのに対し、2023年には58%へと上昇。しかも、20代・30代がその半数を占めていいます。
MT車の購入者は、MT車のラインナップが少なくなっていることから、今後新車で購入できなくなるかもしれないという不安を抱えているといい、そういったクルマ好きのニーズに応えるためにMT専用グレードが新たに開発されました。
シビックにはスポーツグレードの「タイプR」がラインナップされ、こちらもMTのみの仕様となっていますが、通常グレードよりもボディサイズが大きく、ハイパフォーマンス仕様の2リッターターボエンジンを搭載するとあって、オーバースペックと感じる人もいるといいます。
そこで、タイプRほどのスポーツ志向ではなく、街乗りでもスポーティに走れる新型シビックRSの投入が決定したというわけです。
新型シビックRSのコンセプトは「街乗り最高スポーツ」とし、タイプRとは一線を画す、スポーツモデルを目指しました。
搭載されるエンジンは、1.5リッターガソリンターボ。減速操作に合わせてエンジン回転数を自動で制御し、スムーズなマニュアル運転操作をサポートする「レブマッチシステム」や、レスポンスがさらに向上した6速MTを搭載したほか、足回りも専用設計とすることで、新型シビックRSならではの走行性能を磨いています。
シビックのマイナーチェンジモデルではフロントグリルがよりシャープな形状に変更され、そのうえでRSには専用のブラック加飾を取り入れることでスポーティなスタイルを実現。
ヘッドライトやドアミラー、ドアサッシュ、シャークフィンアンテナ、エキパイフィニッシャー、ホイールをブラックで統一したほか、前後に赤い「RS」のエンブレムが装着されました。
インテリアデザインに変更はないものの、新型シビックRSではインパネに赤いピンストライプを施し、シートに赤いステッチが施されます。
シビックシリーズの開発責任者である明本 禧洙氏(ホンダ技研工業 四輪事業本部 四輪開発センター)は、新たに投入するスポーティグレードについて次のようにコメントしました。
「シビック タイプRはサーキット走行をこなせる高いスポーツ性能が魅力ですが、新型シビックRSは街乗りも楽しくてワインディングでも気持ち良く走れる、“ほどよくスポーティ”なクルマを目指して開発しました」
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シビックのマイナーチェンジでは、ガソリン車とハイブリッド車(e:HEV)の変更も行われます。
ハイブリッド車はグレーのインテリアカラーを設定したほか、上級の「e:HEV EX」と標準の「e:HEV LX」の2グレード展開とすることで、選択肢を広げました。
なお、e:HEV EXには、現行のホンダ車で唯一となる「電動パノラミックサンルーフ」が標準装備されます。
全車共通で、ボディカラーに「シーベットブルー・パール」が追加されたほか、ユーティリティ面ではUSBジャックをタイプAからタイプCへ変更。
オートエアコン連動運転席&助手席シートヒーターやリモートエンジンスタータージ時省電力効果換気制御(CVTのみ)、オートブレーキホールドメモリ機能が設定されました。